違反に甘い国家公安委員長

古屋国家公安委員長が警察の交通違反の取り締まりについて「取り締まりのための取り締まりになってしまっている」と指摘し、「危険性のない道路で20キロオーバーを取り締まるのは疑問」という例を挙げた。日本で暮らす一個人としては、仰る通りだと思う。だが日本を取り締まる国家公安委員長の発言としては如何なものかと思う。古屋が指摘した点は2つある。一つは警察が安全向上に直接結びつかない点数稼ぎのネズミ取りをしていること。もう一つは交通法規が実態に合っていないということ。警察の点数稼ぎの無駄な仕事が、警察の悪い文化を産み出している。すぐに国家公安委員長の鶴の一声で改革すればよい。しかし国家公安委員長が安全であろうがなかろうが20キロオーバーの取り締まりをすべきではないという発言は極めて問題だ。いまの日本の交通ルールは極めて曖昧。制限速度は規定されてはいるが、15キロオーバーまでは捕まえないことが常態化されている。実態に合わせた規制に変更すべきだと思う。通学路では20キロでも危険なところがある。田舎の道は80キロでも問題はないところもある。道に色でも塗って色別に制限速度を明確に表示するとよい。その上で厳格に制限速度オーバー者を捕まえるべきだ。古屋のやるべきことは、交通ルールをルーズにすることではなく、クリヤーにすることだと思う。