「建国記念の日」の「の」の意味

今日は2月11日「建国記念の日」だ。近頃は単に休日の中の1日という程度にしか感じないが、この祝日の制定には紆余曲折があったようだ。明治から終戦までは紀元節と呼ばれていた。日本書紀が伝える初代天皇である神武天皇の即位日。まさに日本建国日といえる。しかし神武天皇東征の物語りが、征略国家として支那事変や大東亜戦争で利用されたため戦後廃止されてしまった。そして20年後の昭和41年に政令で祝日と定められた。祝日が増えることは好ましいが、紀元節復活には当時の社会党が猛反対。自民党は詭弁を使った。紀元節そのものを復活させるのではない。国の建国を記念する日は、日にちは兎も角必要であるとして、法案を成立させた。その時のマジックが「建国記念の日」の「の」の挿入。紀元節とは限定しない一般概念の建国記念を祝う日とした。勿論後日「2月11日」を「建国記念の日」と定め実質的に紀元節を復活させた。「の」の字がなければ建国記念日が再び生まれることはなかった。日頃文章を書いていると、てにをはの使い方に苦労することが多い。今日、建国記念の日を調べた結果「の」の使い方を知った。たかが一字の「の」ではあるが、馬鹿に出来ない「の」の重さを覚えた次第。