酔っぱらいの死に損ない

人生65年も生きていると何度かは死に損なった経験は誰しもあるだろう。自分は大学院2年生の時に経験した。研究室有志で山中湖1泊のスケート旅行に行った時の事。宿泊先は研究室助手O氏のママの森見晴台近くの別荘。O氏は実家が池袋の大地主で裕福だったが研究一筋の立派な人物であった。大学院の時に兄が嫁さんを貰い家に住むことになり、結果として押し出されたかたちでO氏の家に下宿させてもらうことになった。公私ともどもお世話になってお礼の言いようもない。旅行の当日、夜は別荘で宴会となり、気持ちよく酔ってしまった。酔いを覚ますため、冷たい外気に触れようと外へ出た。冬の夜空は綺麗だ。星が瞬いている。綺麗な星空を見上げているうちに首が痛くなった。寝ながら見る方が楽だろうと思い横になった。そこが道路だった。星が綺麗だ、と思いつつ酔った勢いで寝てしまったらしい。寝てしまった所は、ママの森見晴台の急カーブ。何時まで経っても帰ってこない自分を案じてO氏が探しに来た。起こされて道路の横に移された瞬間に猛スピードの車が通過した。二人とも一瞬青ざめた。今日の日経によると「酔って寝てたら逮捕も」の記事。泥酔して道路に寝て死んだ人が、この3年間で14人いると言う。酒飲みの習性は変わらないようだ。