街頭募金あれこれ

難病の小児支援を装い街頭募金を騙し取っていた詐欺グループが大阪で検挙された。刑法には詳しくないが、詐欺は10年以下の懲役で犯罪によって得たものは没収らしい。普通はそれでチャラになるが、しかし詐欺は詐欺でもこのケースは特別だ。切迫した手術を行うための費用を騙し取ることは小児の命を奪い取ることになるし、そればかりではなく、この事件をきっかけに今まで募金をしようとしていた人が本当の募金活動に対し不信感を持ち募金しなくなる恐れがある。二重の罪があると言える。かつて自分に日本ユニセフからの募金要望郵便が度々あり、どうすべきかと迷っていた時に「こんな募金箱に寄付してはいけない:筑波君枝:青春出版社」を読んだことがある。この本によると、2002年度の寄付額は日本6千億円に対し米国26兆5千億円。米国が日本より約45倍も多い理由は、宗教、税制、国の成り立ちと言っている。この中で特に大切なのが、国の成り立ちだ。米国の成り立ちは、国家が出来る前に住民の自治が確立し、一人ひとりが自分の行動に責任を持つことで成立した。一方日本は、まず国があり一人ひとりが国という枠の中で生まれ育ってきたので国民皆保険の下全てを行政に期待している。これでは募金も集まらない訳だ。自立する個人になれるよう努力することこそ明日の日本を創り出すことになると、少し思った。