万歳三唱の不思議

16日横路議長が解散詔書を読み上げ衆院が解散した。毎度のことだがその後殆んどの議員が嬉しそうな様子で万歳を三唱する。極めて不思議な光景だ。「万歳」を辞書で調べてみた。いつまでも生きて栄えること、どうしようもないこと、相手の将来の発展を祝福して大声で言う言葉、喜びの気持ちを表すため大声で言う言葉、とある。この解散で全衆院議員が職を失う。議員にとっては決してお目出度くはないはずだ。解散に追い込んだ野党が万歳するのは理解出来るが、解散に猛反対していた民主議員も万歳を叫んでいるのは何故だろう。一説によると、ただの慣習で、万歳をすると国会へ戻れるというジンクスがあるためという。戻れない議員も多いのでこの説も当てにならない。野田首相は万歳を叫ぶ気にはなれなかったと自身のブログに書いている。これらを総合して考えると、どうやら解散の万歳は意外と「もうどうしようもないお手上げ状態」という意味が最も近いのかもしれない。議員たちの顔が嬉しそうに見えるのは、自虐的な感情の裏返しと見ることも出来る。訳の解らない万歳三唱の慣習が消滅した時に国会が正常に機能することになるのかもしれない。しかし万歳は続く。