落し物の採取法

尾籠な話で恐縮するが、キラリと光る工夫に感心したので敢えて書くことにした。健康診断のとき大腸ガンの一次検査も受けることにしている。今様に言えば便潜血検査、昔は検便と言っていた。今は落し物の採取法が難しい。小学生時代は寄生虫検査のため検便があった。当時は汲み取り式なので、両足に渡して踏んだ新聞紙に落し物を落とし割箸か何かでマッチ箱に入れ学校に提出した。高校時代は和式の水洗トイレなので楽勝だった。大学を卒業し会社生活に入った頃に洋式トイレが普及し始めた。落し物の採取には逆向きに座るのが常識で、これも問題はなかった。ところが、ウォシュレットが30年前頃に普及し始めてから大問題が発生した。ウォシュレットが邪魔をして逆向きには座れない。そうかと言って水中以外に落として確保するのは難しい。人それぞれに手を変え品を変え工夫していたようだが決定打はなかった。恐らくウォシュレット付き洋式トイレを使う日本の全国民が苦労していたに違いない。ところが今年の採取法は改良が加えられ30年来の難題を見事解決した方法であった。トレールペーパーなるものを便器内に敷くだけ。後は日常通り落し物を落とせばよい。トレールペーパーは落し物を水中に没することなく受け止め、採取後は水溶性なので水を流すだけで跡形もなくなってしまう魔法の紙だ。発明の実用効果の度合いで言えば、ここ数十年来最大の発明と言える。アッパレ、日本の工夫と技術力。