大きな政府vs小さな政府

拮抗している米大統領選がハリケーン「サンディ」対応で明暗を分けそうだ。選挙戦を離脱し災害対策を優先させ現地で陣頭指揮したオバマの株が上がっている。一方ロムニーは選挙集会を被災者支援集会にタイトルは変えたものの、以前に災害窓口の連邦緊急事態管理局FEMAの廃止論に言及していたことが足を引っ張った。今回のFEMAは活躍したようだ。多分オバマの初動指示とブッシュ時代のカトリーナ対応をヘマした反省の賜物だろう。今回の選挙では、連邦政府が果たす役割の重要性を強調する「大きな政府派オバマ」対、肥大化した連邦政府の機能を地方政府や民間に移譲するよう求める「小さな政府派ロムニー」の戦いでもある。大きな事件が起きれば大きな政府が必要だし、小さな事件しか起きなければ小さな政府でよい。偶々サンディが来たから大きい方に傾いた。しかし一口に大きい政府対小さい政府を主張すると本質を間違えることになる。連邦政府と地方政府と民間の役割分担を明確にしてメリハリをつけることが重要だ。連邦政府には連邦政府にしか出来ないことを充実させる必要がある。翻って日本を見ると、何から何まで中央で取り仕切る「大きな政府」ではあるが、大震災の復旧すらも殆んど手付かずのままだ。決して大きい事だけが良い事ではなく、機能させるべき中味が重要であることを証明している。