満喫するということ

人間長く生きていると楽しかったことも悲しかったことも沢山ある。しかし「これには満喫した」という経験は少ない。昨日パスタ皿が届いた。横約30cm縦約15cm深さ約5cmで自作の陶器としては大振り。今年の夏に蓼科へ行った時、とある陶芸教室で手取り足取り習いながら制作した作品だ。自分とカミサンとが各々一つ制作した。陶器の基調は白色で中央部分に緑色の名もない葉っぱを描いてみた。出来栄えは思いのほか上々。見ているだけでもパスタにしようかカレーにしようかと惑う。今日はパスタにしてみた。パスタはこの10年来自分の得意料理だ。オリーブオイルにニンニクを入れ火を点ける。香りが立ったところでベーコンをカリカリになるまで焼き、野菜とキノコと唐辛子を炒めた後に、戻しておいたドライトマトと缶詰のトマトを投入。そこに茹でたパスタを馴染ませ我が家の自分流ナポリタンが完成した。自分で作ったパスタ皿で食するナポリタンは言うことなし。自作の皿と手前の料理で「まさに満喫した」と思った瞬間に、満喫していない自分を発見した。「満喫する」とは近いうち子供や孫が遊びに来た時に、皿をサラッと出してパスタを食わせ孫たちが喜ぶ顔を見て完結することになることを確信した。満喫とはトコトン味わうべきものだとツクヅク思う。