世界一連覇の難しさ

女子レスリングで前人未到の13大会連続世界一を達成した吉田選手が国民栄誉賞を受賞することが決まった。1977年当時の福田赳夫首相が本塁打世界記録を達成したプロ野球の王選手を称えるために創設したのが始まりで20番目に当たる。その目的は「広く国民に敬愛され社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについてその栄誉を讃えること」と規定されているが「歴史を塗り替えるほどの突き抜けるような功績をあげた」ことが選考のポイントになっている。まさに歴史を塗り替え、受賞するのに十分な要件を満たしている。お目出度いことだ。一方、7連覇のタイトルを剥奪された者もいる。ツール・ド・フランスで無敵を誇っていたアームストロングのドーピングが判明し、タイトル剥奪と自転車界からの永久追放処分が決まった。アームストロングのドーピングは当時から知る者は知っていたが、大会責任者を巻き込んで隠していたため糾弾出来なかったらしい。タイトルを剥奪しても繰り上げ優勝はしないとのこと。何故ならばドーピング疑惑を持たれたことのある選手を除外すると繰り上げ優勝者は10位の選手になってしまうから。この笑い話にもならない実話は永久に語り継がれることになるだろう。ドーピング・ド・フランス。