日本の自立が一歩前進

今年の国連総会での日本首相の演説が、珍しく注目を浴びたようだ。いままでの首相たちは、差し障りのない途上国開発援助や地球環境問題への取り組みを述べ、ほとんど議論を呼ぶようなことはなかった。ところが今年の野田は、中国と韓国を念頭に置き、国際的な紛争を解決するには国際司法裁判所に委ねることが重要だと国際法の活用を力説した。東アジアで領有権紛争をめぐる緊張が激化し、世界第2位の中国と第3位の日本の間に政治的に不穏な空気が流れているこの時期にはタイムリーな内容であり、今後議論を呼ぶことになるだろう。明日以降中国と韓国が総会で何をどう主張するのか興味を持って注目したい。常々世界に向かって議論を呼ぶような意見を発することが出来るようになれば、日本も自立してきたと世界から認められるようになるに違いない。野田が日本の自立を一歩進めたと言える。