人間ドッグ受診者約300万人のうち、異常なしの人はたったの8%弱とのこと、本当だろうか。一昔前の健康診断は、1項目につき全被測定者の5%を異常と定義していた。即ち1項目につき95%が正常で5%が異常としていた。診断項目が35ある健康診断の場合、正常者は0.95の35乗=17%で残りの83%は異常となる方法を採っていた。更に最近は生活習慣病に関する項目の判定基準が厳しくなり、肝機能異常や高コレステロールなどの1項目で約3割が異常と判断されるようになっている。自分の周りを見回しても10人のうち9人が異常であるとは到底思えない。高齢化などにより異常が増える傾向にあることは理解出来るが、健康診断そのものが実態に合っていないのが現状だ。本来健康診断とは、健康状態を評価することで異常な人を発見し早期治療に役立てるためにあるもののはずだ。ところが今の健康診断は正常者も異常者に加え健康異常者を増殖させ莫大な医療費を負担させるシステムになってしまっている。昨年度の医療費が過去最高の38兆円に膨れ上がった要因はここにもある。厚労省は予算を積み増す前に、正常者は正常と異常者は異常と診断できる健康診断システムに改める必要がある。
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