福島県の被ばく線量推計反対は何故

奇妙なニュースがある。原発事故を受け放射線医学総合研究所が「住民の被ばく線量推計システム」を開発したが、福島県は「住民の不安を煽る」と反対し導入が見送られたとのこと。このシステムは、Webサイトで住民が事故後の行動記録を入力すると線量の推計値が得られるというもの。もともと県による全県民対象の健康管理調査の検討委員会準備会で提案されたものだ。原発周辺の住民多数の被ばく線量を調べるには有効な方法だ。自分の被ばく線量推計値が分かれば、低ければ安心につながり、高ければ今後の医療対応につながるので、知ってプラスはあるがマイナスはないはず。国としても県としても、そのデータは将来役に立つはずだ。「住民の不安を払拭するシステム」を、県は「住民の不安を煽る」と反対。県の反対が住民を不安に駆りたて、風評被害の種を作っているように見える。