安全を軽視する政府

米軍が国内の基地に配備を計画している垂直離着陸輸送機オスプレイで、政府と地元が、そして民主もからみ揉めている。オスプレイは太平洋戦争後、ヘリコプターのように垂直離着陸・ホバリングが出来、かつ高速移動と長い航続距離が可能というコンセプトで開発が進められ現在に至っている。難しい要求だけに試作機段階での事故は多く未亡人製造機とも揶揄された。量産後の事故は4件あり、特に今年のモロッコとフロリダの事故が現在の日本における安全性評価の分かれ目になっている。我々国民が知るところはここまでだ。そしてその先は。野田は日本の首相でありながら「配備自体は米政府の方針なので拒否できない」と放言した。地元は「ヘリコプターより危ないオスプレイの配備は反対」と表明し、民主党前原政調会長は「野田は余りにも地元の民意を理解していない」と発言。しかし、この3者の発言は全て間違いだと思う。首相である野田の発言の致命的欠点は米国のなすがままと発言したことに尽きる。首相の責務は国民の安全を守ることだ。日本の安全保障におけるオスプレイの必要性と日本政府によるオスプレイの安全性確認を同時に行ってこそ国民の安全を守ることになる。落ちないヘリはないのも事実。首相が正しく責務を果たせば地元の発言内容は変わるはずだ。一方前原は民意に媚びり過ぎている。民意を最優先する政治が良いとは限らない。主導的立場にある政治家であるならば日本全体の安全を考慮した言動をとるべきだと思う。