何が国民の生活が第一か

今日閣議決定した「福島復興再生基本方針」を見て我が目を疑った。福島県の復興再生に向けて再生可能エネルギーの導入を進め雇用の確保につなげることは当然だが、何と復興方針の中に放射性物質除染に必要な対策は国の責任で行うとある。年間の被ばく線量が1ミリシーベルト以下にするための対策と、除染で出る土の仮置き場に国有地を提供するという内容だ。国の責任で行う除染や保管場所提供は、決して復興ではない。復旧するためにまず始めにやらなければならない復旧の基本だ。原発事故から1年4ヶ月も過ぎてから漸く国が除染に乗り出すという閣議決定には、開いた口が塞がらない。民主党のスローガンであった「国民の生活が第一」が白々しく聞こえる。「国民の生活が第一」で出て行った者も残った者も、決して「国民の生活が第一」などと掲げるべきではない。「国民の生活が第一」はたとえ単なる念仏だとしても、余りにも現実からかけ離れ過ぎている。