素粒子物理学の一歩前進

あのホーキング博士も見つからない方に賭けていた「神の粒子」が見つかった、歴史的な発見だ。現在までに、ものを形作る粒子と、力を伝える粒子しか見つかっていなかったが、「神の粒子」とは、それらの粒子に質量を与えるヒッグス粒子のこと。現在でも宇宙が何から構成されているのか殆んど分かっていない。目に見える星などの物質は宇宙の4%。目には見えない「暗黒物質」が23%。さらに多く存在する「ダークエネルギー」とは全く不明。ヒッグス粒子が宇宙の大半を占める謎の物質の正体に迫るきっかけとなるかもしれない。宇宙のロマンも素晴らしいが、それに絡んだ地球上の出来事も魅力的だ。ヒッグス粒子の存在を予言したヒッグス博士が「自分が生きている間に見られるとは」と涙を流し喜んだこと。二つのグループが実験で競争し同時に協力し合ったためだと欧州合同原子核研究所のホイヤー所長が称賛した内容。ホーキング博士が賭けに負け喜んだこと。そして実験に用いた1周27kmの巨大な「大型ハドロン衝突型加速器」の加速器本体や検出器に多くの日本企業の技術が使われたこと。ヒッグス粒子の発見で素粒子物理学の「標準モデル理論」が完成したことになり、更なる新しい物理理論が展開されることになるらしい。人類にとって一歩前進のインパクトのある発見に違いない。