無知の知or無恥の痴

参院予算委員会で自民の山本が田中防衛相の「無知の罪」を問い質したのに対し、野田は「無知の知、という言葉もある」と田中を庇った。「無知の罪」とは、無知そのものが罪であり知らなかったでは済まされないということ。「無知の知」とは、真の知に至る出発点は無知を自覚することにあるというソクラテスの考え方。自民の「無知の罪」攻撃は国会を空虚なものにするのでもうやめた方が良い。一方野田の「無知の知」答弁は間違っている。田中は当選5回のベテランだ。しかも2009年には参院外交防衛委員長を務めた経験もある。決して「無知の知」ではなく「無知の罪」そのものだ。辞書によると「無恥」とは恥を恥じとも思わず平気なこと、「痴」とは愚かなこと。野田は口では「無知の知」と言いながら心の中では「田中は無恥の痴だ」と呟いていたのかもしれない。政治家は二枚舌の達人に違いない。