他山の石:ギリシャ

ギリシャ破綻が秒読み段階に入った。EU欧州委員会クルス副委員長がギリシャのユーロ圏離脱の可能性を初めて公然と言及した。EU内ではギリシャのデフォルトとEU離脱後に議論の焦点が移ったということだろう。ギリシャは、金融融資を受けるための緊縮策に対し反対のための大規模なストが展開されており、連立与党の合意も成立しそうにない。緊縮策とはいっても休日手当の廃止や最低賃金2割削減程度の話だが。一方で民間の債務カットの妥結の見通しもない。3月20日の国債償還を乗り切るためには2月13日頃までに手続きを終える必要があるらしいが、既に緊縮策も債務カットも乗り切る見込みはない。ギリシャ破綻は最早決定的だ。余波は非常に大きい。日本国債の格付け大幅低下までおよび、EUの銀行は倒産し経済は落ち込むことになるだろう。ここで考えておかなければならないことがある。犯人は誰だ。犯人は主犯の政治家と官僚と、それを許した真犯人の国民に違いない。国家の質は国民で決まる。日本はギリシャを「他山の石」とすべきだろう。