ダボス会議の終焉

政治経済界の指導者が集まるダボス会議が開かれているが、以前のようにはパッとしない。ダボス会議は会員企業から運営資金が提供されている世界経済フォーラムの年次総会で、公平かつ非営利でいかなる政治的利益、党利党略や国益とは無縁だ。常に議論の焦点となるのは、国際紛争や貧困や環境問題などの世界的な懸念事項。今年のメインはユーロ危機。加盟国の財政規律だけを主張するメルケルに対し仏以外は消極的で行く先が見えない。各国共通の期待は中国頼みだけで妙案はない。ソロスもボーサーも決められない政治にしびれをきらしている。イランの核問題と経済制裁についても中国の制裁慎重論で結論がまとまらない。おまけに議事録も残さずハチャメチャにやって原発事故被害を拡大させてしまった菅が、原発の安全化を講演する落語みたいな落ちも付いた。何も出来ないのは日本の政治家だけではない、世界の指導者たちも何も出来ないではないか、と言っている日本の政治家の声が聞こえるようだ。この難局を切り拓く事が出来るのは問題認識を持つ個人一人ひとりしかいない。