ロシア下院選

ロシアでは2000年からプーチン派が実権を握り長期政権を維持してきたが、その雲行きが怪しくなってきた。ロシア人は元々強い指導者のもとで大人しく従うことを好む性格。しかし圧倒的な支持を得ていたプーチンにも長期政権による綻びが見えてきた。政治は機能せず政治家と官僚はやりたい放題の無法地帯になりつつある。モスクワ郊外の高級住宅の大半は汚職で肥やした官僚の所有物になっているらしい。一般国民も愛想を尽かしロシア下院選では反対票が増えた。プーチン率いる統一ロシアの対策は選挙の不正行為。同一人が何十回も投票する「回転木馬」、事前に投票箱に大量の票を詰め込む「詰め込み」、投票所職員による「集計結果水増し」等多彩だ。クリントン国務長官が不正行為を非難し、プーチン首相は西欧からの資金援助と市民デモ扇動を非難。日本のように弱い指導者も困るがロシアのような強い指導者にはより困る。強い指導者のもとで無法地帯となったロシアを同じ指導者が立て直せる訳がない。プーチンに対抗できる強い指導者が望まれている。ロシア国民の運命は2012年のロシア大統領選で決まることになる。「ロシアの春」はもうそこまで来ている。