企業統治の問題

オリンパスの企業買収問題で日本の企業統治が問題視されている。英国企業買収の際投資助言会社に法外な報酬を支払った件と、買収した国内3社の事業売上が当初計画に較べ1割にも満たないほどかい離している件だ。事実は、当初期待した買収計画通りにはいかず経営者が投資に失敗したこと。問題は、経営者の見通しが甘かったこと、ではない。問題は、オリンパスが有価証券報告書などで適切な開示をしなかったことにある。企業統治の欠如は日本株売買の7割を占める海外投資家の不信を招き、市場心理を委縮させ経済を更に悪化させる恐れがある。オリンパスはワンマン経営で有名だ。ワンマン経営者には長所と短所がある。事業をダイナミックに展開するにはワンマンが最適だ。歯止めが利かなくなり突っ走ってしまうワンマンは最悪だ。解決策の一つは、ワンマン経営者にストップがかかり部下がワンマンを恐れずに進言できるシステム作りだ。社外取締役制度の導入や東証の企業統治強化の通知などは問題の解決にはならないだろう。株式市場が問題企業に罰則を与えるのが良い方法だと思う。不透明な有価証券報告書には東証が開示を指示し、従わなければ監理ポストへ移動させる。極めて不透明性の高い企業や違法行為を行った企業は株式市場から退場させる。退場させられては経営が成り立たないので、ワンマンは社内よりも社外を意識するようになり、部下のワンマンに対する進言力は飛躍的に高まることになるはずだ。