イグノーベル賞

またまた日本人がイグノーベル賞(Ig Nobel Prize)を受賞した。受賞条件は「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」であることで、サイエンス・ユーモア雑誌「風変わりな研究の年報」が企画運営している。イグノーベルの名は「ノーベル賞」に反語的な意味合いの接頭辞を加えたもじりであると共に「卑劣な、恥ずべき、不名誉な」を意味する「ignoble」と掛けているらしい。同賞の性質上、名誉と考える受賞者もいれば不名誉と考える者もいる。脚光の当たりにくい分野の地道な研究に人びとの注目を集めさせ、科学の面白さを再認識させてくれるという点では注目すべき賞だと思う。今までに日本人の受賞は、足の臭い、たまごっち、カラオケ、真正粘菌等々15件もあり、日本はこの賞の常連だ。今回は「わさびのにおい」を使って睡眠中の聴覚障害者らの覚醒に成功した滋賀医科大学の今井眞准教授ら研究者7人が「化学賞」を受賞した。この研究により火災時に睡眠中の聴覚障害者や耳の遠い高齢者らが逃げ遅れないよう警報音の代わりに「わさびのにおい」を使って知らせる火災報知器の開発に道を開いた。何とも心温まる賞だと思う。来年も日本人が受賞することを期待したい。