バフェット発言の波紋

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、米政権に対し富裕層への増税を訴えたことへの反響が拡がっている。「貧困層と中間層がアフガニスタンで我々のために戦い多くの米国民が生活を何とかやりくりする一方、超富裕層は桁外れの税優遇を受け続けている」と指摘。ブッシュ前政権が導入した富裕層減税措置について、共和党は財政赤字削減は歳出の削減を主張し、民主党は減税措置打ち切りを主張している。これに同調してフランスでも富豪らが国の財政赤字削減を支援するため、高額所得者への増税を政府に要請しはじめた。富豪らを対象にした「特別貢献税」の創設を提唱し、海外への租税回避をさせない仕組みが必要だと訴えている。国債の格下げ観測も浮上しているフランス政府は財政赤字の削減目標を達成するため、高所得者向けの増税や住宅関連税制優遇の縮小、企業向け税控除の縮小などを検討しているが、大富豪が政策を後押しする格好だ。一方ムーディーズは日本国債をAa2からAa3に引き下げた。財政改革の実行力を疑問視したためだ。日本の大富豪や財界人も我が身大事で法人税や所得税を守るだけでなく、財政再建に本腰の入らない政府を助ける努力が必要だ。結果として日本経済を再生させ我が身を助けることになると思うのだが。