ソニーの凋落

ソニーが上場以来初めて3期連続の最終赤字になったと発表した。今期は大震災の影響も大きいが、問題はもっと根深いところにありそうだ。今年4月ソニーのインターネットサービスにハッカーが不正侵入し、日米欧などで延べ1億人以上の顧客の個人情報が流出した。命綱のインターネットサービスがハッキングされたこと自体問題だが、その後のソニーの対応が杜撰で経営上も技術上も問題だらけだ。ユーザー離れが進み、米国では巨額な賠償を求める集団提訴も起こされている。これだけでも大変だがソニーの最大の問題は、創業社風の崩壊だ。トランジスタラジオ、トリニトロンテレビ、ウォークマンなどを創出してきた技術のソニーの社風を破壊し、二流のエンタメ会社に舵を取った出井元社長が元凶だ。更に後任のストリンガー現社長は、利益捻出のため次世代有望技術への研究開発投資を大幅に削減。その結果有能な技術者が流出し、明日を拓く力は最早ない。政治家は落ちてしまえばただの人というが、技術のソニーから技術を取ってしまえばただの会社ということだ。