2023年2月

2周遅れの中国EVバッテリー

EV販売車数でテスラを抜いて中国のBYDがトップに躍り出た。BYDが日本で販売するEVバッテリーに、毒性を有する六価クロムが使用されていたことが判明し、全国に騒動が広がっている。同じクロムでも三価は自然界に広く安定して存在し、サプリメントに使用されるほど比較的安全だ。だが、六価は強い酸化能力を持つ不安定な物質で毒性を持つ。六価クロムを廃棄するには、還元剤によって三価クロムに変換し無害化する。六価クロムの使用は、日本の法律では禁止されておらず、中国でも欧米でも同基準で使用が許可されている。但し、日本自動車工業会JAMAは自主規制している。事実、日野自動車は発売予定だった小型EVバスの発売を取り止めた。米国でも六価クロムを使用しているBYDのEVバスへの補助金を停止した。毒物は使わないのが世の流れだ。中国は1周遅れになっている。でも、六価クロム問題に対しBYDは、トヨタ社長の豊田JAMA会長と日本政府がグルになってBYD叩きをしていると非難している。中国のEVバッテリー生産数は世界トップだが、環境対策は2周遅れのようだ。

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アベノマスク情報不開示は敗訴

アベノマスクの「単価」と「数量」の開示を求めた訴訟で大阪地裁が、不開示の取り消しを命じる判決を言い渡した。アベノマスク配布事業は、佐伯首相秘書官が「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えますから」と安倍に進言したことから始まった。543億円の税金を使って布マスク2億枚を随意契約し、8千枚が在庫となり、5億円かけて無償で希望者に配った。我が家にも送られてきたが、周りで使っていた人は一人もいない。公文書管理法は行政機関の職員に対し、経緯も含めて意思形成に至る過程、および事務や事業の実績を合理的に跡付け、検証することができるよう文書の作成を義務づけている。特に随意契約は詳細な経過を残すべきものだ。国は文書は廃棄したので残っていないと主張。やっと出てきたのが単価と数量が黒塗りの文書。いかに国の発注が杜撰だったかが良く分かる。思い起こせば、安倍政権時代に義務である議事録を残さないことが定着してしまった。アベノマスクは黒塗りではあるが文書が残っていたから良い方だ。安倍回顧録で安倍は「わたしは政策として全く間違っていなかったと自信を持っています」と語っている。でも、回顧録の内容は主観そのもの。検証にはならない。判断するのは国民だ。安倍は相当悪しき風習を残したと言える。

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福島原発処理水放出の是非

政府が福島原発の処理水を今年の春から夏ごろに海洋放出する方針を決定した。海底トンネル経由で1km先の海中に放出するための工事が既に始まっている。政府は漁業者向けに、新たな漁場の開拓や漁船の燃料コスト削減などにかかる経費にあてる500億円の基金を創設し、風評被害が起きたときに水産物を買い取る費用などを盛り込んだ300億円の基金も用意した。地元漁連に対し「関係者の理解なしに海洋放出はしない」と約束しているが、理解を得たかどうかはハッキリしない。放射性汚染物質が環境に与える影響を30年以上研究してきた英国の環境科学者は、福島原発の処理水の放出は取りうるなかでの最善策だと言っている。現在福島原発内には100万tの汚染水が保管されている。汚染水からコバルト60、ストロンチウム90、セシウム137などは除去されるが、水素の放射性同位体であるトリチウムは除去されずに残る。このトリチウムが残ったものを処理水という。トリチウム水は、化学的性質が通常の水とまったく同じであるため現代技術での除去は不可能だ。でも幸いなことに生物蓄積係数は1で、生体内に大量に蓄積することはない。だから過去何十年にもわたって世界各地の原子力施設で処理水の海洋放出が行われてきたのだ。但し、「有機結合型トリチウム」は問題だ。生物蓄積係数が1万と高い。有機結合型トリチウムの有無の確認は必須だ。政府は、トリチウム水について漁業者にも国民にも世界にも懇切丁寧な説明をして納得を得る必要がある。

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林外相の資質が問われている

林外相がG20外相会合を欠席か?とのニュース。G20外相会合はインドで3月1~2日に開催される予定だ。ところが同時期に参院予算会議が開かれることになっている。参院自民党幹部が国会対応を優先するよう求めたため、林外相のG0欠席か?のニュースになった。衆参院の予算会議は最初の3日間で全閣僚が出席し基本的質疑を行なうことになっている。でも、国会法や規則で定められている訳では無い。あくまで慣例だ。外務省は、林外相がG20に出席出来ない場合は副大臣を派遣する方針とのこと。一方国会の慣習では、大臣が欠席の場合は副大臣が出席することになっている。さて、林外相はどちらに出席すべきなのだろうか。国際問題では、ウクライナだけでなく韓国と徴用工問題を論議する必要がある。特にG20外相会合は各国の思惑がぶつかり合う場だ。一方、参院は日本政治の盲腸みたいなもの。有っても役に立たない。林外相がG20を選択すべきは間違いないが、選択するかは分からない。いま林外相の資質が問われている。

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緑のリボン

ロシアがウクライナに侵攻して1年経った。その節目にバイデンはキーウを電撃訪問し、プーチンはロシア国内の大規模集会で演説した。専門家は、この戦争はすぐには収まらないと言う。国連も無力だ。収束の道は見えない。それにしても何故このような戦争が始まってしまったのだろうか。自分なりに解釈してみた。ソ連崩壊後ソ連から独立した国々が次々にNATOに加盟した。ウクライナに親米政権が誕生しNATO加盟への機運が高まっている。裏に軍産がいる米CIAはウクライナ東部のロシア系住民をナチスの名を語って弾圧した。NATOが迫っていることに恐怖を覚えたプーチンは、ナチス退治を口実にウクライナ侵攻を始めた。当初プーチンは1週間程度で制圧出来ると読んでいたが、ゼレンスキーの思わぬ抵抗に遭い苦戦を強いられ今日に及んでいる、という訳だ。簡単に言うと、米国が仕掛けロシアが乗ってしまったということだろう。戦争は、互いに言い分があり、どちらか一方が正しいということは無いと言う人もいる。しかし、ウクライナに限って言えばロシアに非があると言える。いまロシア国内では戦争に反対の素振りでも見せれば逮捕されてしまう。表立って反対を叫ぶ者はいなくなった。でも、緑のリボンが至る所で目立つようになったとのこと。ウクライナの国旗の青と黄色を混ぜれば緑になる。香港の白紙運動のようにロシアでは緑のリボンが定着しつつあるようだ。

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成田発言のショック療法

NYタイムズに成田悠輔の「高齢者は集団自決した方がいい」という発言が載り、世界的大炎上している。成田とは、最近時々テレビのコメンテーターとして出て来る丸と四角の眼鏡をかけたあの人物だ。イェール大学助教授兼実業家と紹介されている。それにしても「集団自決した方がいい」とは物騒だ。この人物は何を言いたかったのかを知りたくなり調べてみた。一言で言うと、世代交代が進まない日本の欠点を指摘する過程であえて持ち出した過激な発言のようだ。大雑把に言うと成田の主張は3つある。1つは、日本の失われた30年の原因は進まない世代交代であること。1つは、少子高齢化は日本にとって最大の危機であること。1つは、尊厳死の合法化や延命治療への保険適用の見直しの議論を始めるべきであること。自分も、日本の一番の問題は、戦後の高度成長期の常識を背負ったままの古い考え方を持つ人たちが、政財界で大きな力を持ち続けていることにあると感じている。世代交代を加速させるべきと思っている。そこで気付いた。あの過激な発言は「日本人よ目を覚ませ」というショック療法なのだと。自分も見事に成田の罠にはまって、世代交代の遅さを再認識させられた次第。これを契機に新陳代謝が進むことを願いたいものだ。

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どうする?植田新総裁

植田新日銀総裁には、就任早々困難なハードルが待ち構えている。第1のハードルは異次元緩和の総括。異次元緩和の狙いは、日銀が市場から大量の国債を買い入れることで、低金利環境と潤沢なマネーの供給を実現し、それによって日本をデフレ状態から脱却させることだった。でも、物価は上がらず株だけが上がった。ウクライナ侵攻で資源が高騰し円安も加速し、物価は4%に上昇したが、日銀の本来目指した2%ではなかったと言う。結局、異次元緩和で2%を達成出来なかったのが現実だ。第2のハードルがYCCだ。10年物国債など特定の債券だけを買う手法が市場を歪めた。黒田はYCCの修正を試みたが、市場は円高容認と受け取った。人が代わって植田になっても、市場の受け止め方が変わるはずがない。植田は黒田と同じ手法は取れない。どうする?。第3のハードルは共同声明の見直し。アベノミクスを提唱した安倍が日銀と共同声明を発表し、2%の物価安定目標を打ち出したあの声明だ。アベノミクス路線を修正するのかが問われている。岸田は例の如く先送りし逡巡している。岸田から方向性を得る可能性はゼロに近い。でも修正すれば政界は混乱する。どうする?植田新総裁。

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岡田の求愛と玉木の拒絶

立憲民主党の岡田幹事長が党大会で「政権交代可能な政治をつくり出すことができるのは立民だけだ。働く人々を代表する政党は一つで十分。分裂はよくない」と、国民民主党と合流する必要性を訴えた。両党とも、民主党が源流で、連合の支援を受けている。でも、今の立憲民主党は共産党寄りで、国民民主党は自民党寄り。まるで水と油の関係だ。当然玉木国民民主党代表は岡田の提案を一蹴した。NHK世論調査による政党支持率は、自民39%、立民6%、維新3%、公明3%、共産3%、国民1%、その他2%、特になし37%。岡田が言うように立民と国民が合流したところで7%にしかならない。政権交代可能な政党を作るにはほど遠い。岡田は井の中の蛙なのだろう。立民と国民の支持率が低いのは、民主党政権の失敗にある。自民対民主の二大政党では、現実での乖離が有り過ぎ、国民は付いていけなかったのだ。現実論で言えば、自民に近い政党が出来れば、二大政党制の見込みはある。そのためには、国民のように自民に近づいて、まずは大きな自民を作り上げることだ。そして大きくなり過ぎれば分裂する。その姿こそが最も近い二大政党の誕生だ。岡田の動きは正反対。益々二大政党制を遠ざけている。

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景観と自然を破壊する小池都知事

東京都が明治神宮外苑の再開発計画の施工を認可した。神宮球場と秩父宮ラグビー場を解体し、ラグビー場跡地に、ホテルなどを併設した野球場を建設。シンボルであるイチョウ並木は残すが、既存の樹木3000本超を伐採することになる。日本初の風致地区に指定された神宮外苑の「日本を代表する文化的景観」が失われることになる。江戸川区の都立葛西臨海公園はもっと深刻だ。葛西臨海水族園の建て替えにともない、ここでも約1400本の樹木が伐採される可能性が高くなっている。公表された建て替え計画では、淡水生物館と自然林の部分を壊して、太陽光パネルを敷き詰めるイメージとなっており、まさしく文化遺産の破壊だ。葛西臨海公園は2018年にラムサール条約に登録されている。保全するのが基本なのに、それを商業開発しようとしている。小池都知事はソーラー発電にご執心だ。昨年は都議会で、新築の戸建て住宅への太陽光パネル設置を義務づける条例改正案を可決した。今度は自然破壊だ。「エネルギーは安全保障と同等」という思い込みがあるようだ。でも「自然が嫌い」と考えると小池の行動が腑に落ちる。都庁には諫める者はいないのだろうか。

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チャットGPTあれこれ

チャットGPTが教育現場で波紋を広げているという。チャットGPTは一昔前の検索エンジンと立場が似ている。検索エンジンは、質問事項を記入すると関連するウェブページを表示してくれる。チャットGPTは、質問を投げかけると、人間との自然な会話のように文章で返事をくれる。このブログ「チャットGPTを試してみた」に書いた通りだ。チャットGPTの利用者が公開から2カ月で1億人を超え、史上最速で普及したアプリと報じられている。米国では学生の9割がチャットGPTを宿題に使ったとの報告もあるほどだ。ニューヨーク市の教育委員会は、市内の学校のネットワークからチャットGPTへのアクセスを禁止した。チャットGPTで作成した文章を、チャットGPTにチャットGPTで作成したかを質問すると、YESと答えるという。韓国では学校がチャットGPTでチェックし、英文でエッセイを書く宿題をチャットGPTに任せた高校生たちに0点をつけたと報じられた。それでも幾つかの単語を変えれば摘発されにくいので、チャットGPTを使ってこっそり宿題をする学生が急増しているという。そこで学校はチャットGPTを摘発するアプリ「GPTゼロ」で対抗中とのこと。しかし、チャットGPTを使って優秀な文章を作っても、学生に実力は身に付かない。学校は単に禁止するのではなく、チャットGPTの有効な活用方法を教育すべきだと思う。

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H3打ち上げ停止は失敗か中止か

JAXAの次世代主力ロケットH3の試験1号機が、発射直前に突然打ち上げ中止になった。メインエンジンが着火し正常に立ち上がったあと、エンジン上部に設置された1段制御用機器が異常を検知。SRB-3への着火信号を送らなかったことから、打ち上げ中止となった。なお、SRB-3側にも異常はなく、制御用機器が検知した異常そのものについては原因究明中という。記者会見で共同通信の記者が、JAXAは中止と言うが失敗ではなかったのかと執拗に食い下がり、話題になっている。失敗を中止と言うのは、JAXAの奢り体質ではないかと言う者もいる。果たしてそうだろうか。成功か失敗かだけでいえば、正常な打ち上げ自体には失敗し、異常を検知して打ち上げ前に止めるフェールセーフの稼働は成功したといえる。H3の打ち上げ費用は50億円。もしフェールセーフが無かったら、H3は宇宙の藻屑と消えている。今回はフェールセーフが正常に働いたため、損傷無しに延期するだけで打ち上げに再トライ出来る。H3の打ち上げは、失敗ではなく中止もしくは中断と言うべきだと思う。

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マスコミには道理や倫理など存在しない(2)

岸田首相がウクライナ電撃訪問を断念したようだ。理由は、1月22日付読売新聞のスクープ記事「首相、キーウ訪問検討―ゼレンスキー氏会談へ…戦況見極め最終判断」だ。記事の内容は「岸田首相はウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行う方向で極秘裏に本格的な検討に入った。2月中の訪問を目指しており、戦況を見極めた上で最終判断する。G7議長国として、ウクライナの支援継続を主導していく意向を表明するとともに、ロシアによる侵略を非難する共同文書を発表したい考えだ。複数の日本政府関係者が明らかにした。隣国ポーランドを経由する形で、陸路でウクライナに入る行程が有力となっている。キーウ訪問のほか、ロシアの攻撃を受けた他の地域を視察する案も浮上している」。事前に情報が漏れれば、首相の命も危うくなる。恐らく複数の日本政府関係者はオフレコで情報を流したに違いない。それなのに読売は首相の命よりもスクープを優先したということだ。もっとも岸田のウクライナ訪問の目的は邪道だから、断念しても問題は生じないはずだ。またまたマスコミには道理や倫理など存在しないことが明白になった。

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マスコミには道理や倫理など存在しない

岸田首相の「社会が変わってしまう」発言は、未だに尾を引いている。荒井秘書官は岸田の迷言をフォローしたのに、それがアダとなって更迭されてしまった。荒井秘書官は経産省出身で官邸では広報を担当し、岸田のスピーチライターも務めていた。官邸記者によると、荒井は毎日のように官邸で記者のオフレコ取材に応じ、その日に起きた出来事の背景について解説してくれるありがた存在だったという。ただ、あまりにも暴露し過ぎるので、最近は岸田から疎まれ、情報の確度も落ちていたという。でも、官邸記者から見れば貴重な存在だ。それなのに、何故記者はオフレコ取材の荒井の実名を公表したのだろうか。ことはLGBTと同性婚だ。世の中は受け入れる方向にあるが、荒井と岸田は拒否派。でも政府の岸田は表向き推進派とややこしい。ではここで、荒井が拒否派と明言することが、問題になるのだろうか。日本は民主主義の世の中だから、賛成も反対も同時に存在する。首相秘書官だからといって、全て政府と同じ意見を持つという訳ではない。たかがこの程度の意見の差を基に、オフレコ取材の実名を明かすのは、間違いなくマスコミの勇み足だ。かつての自分にも荒井と同じ経験がある。オフレコだと釘を刺したのに、公表した新聞社があった。マスコミには道理や倫理など存在しない。心得るべし。

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地に落ちた原子力規制委員会

原子力規制委員会が老朽化原発の60年超の運転延長を決議した。経緯はこうだ。2月8日原子力規制委員会は臨時会を開き、岸田首相が強引に進めている「老朽化原発の60年超の運転延長」や「原発新設」などに向けた改正案について審議した。だが、委員5人のうち1人が反対したため決議は先送りされた。原子力規制委員会の決議は、全員賛成が原則だからだ。ところが、岸田内閣は10日に「老朽化原発の60年超の運転延長」や「原発新設」などを盛り込んだGX実現に向けた基本方針を閣議決定した。これを受け原子力規制委員会は13日に再度臨時会を開き、反対1人のまま多数決で強引に決定したのだ。しかし、原子力規制委員会は現行の原発が安全に運用されているかをチェックする機関であって、間違っても原発の運転期間を決定する組織ではない。要するに岸田は原子力規制委員会のお墨付きを取り付けて法案を通り易くする魂胆なのだ。結局、原子力規制委員会は福島原発事故当時お飾りであった原子力保安庁と変わらないのだ。原子力の安全管理について、全く機能していない。記憶を残すため、5人の名前をあげておく。委員長は核燃料の安全性を研究している山中阪大教授。委員は核燃料サイクルや放射性廃棄物の研究をしている田中東大教授、日本原子力研究開発機構・安全研究センターの杉山副センター長、旧動力炉・核燃料開発事業団に所属する伴東京医療保健大学の教授など原子力村の面々。そして唯一反対したのが日本地質学会の石渡会長だ。早期の人事刷新が望まれる。

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食い散らかして逃げます

政府が黒田日銀総裁の後任に経済学者の植田元審議委員を指名した。今まで政府は雨宮副総裁に打診し続けてきたので植田の起用はサプライズ人事だ。次期総裁にとって、黒田・雨宮コンビが10年も続けてきた大規模金融緩和からの出口戦略が最大の課題だ。大規模緩和で日銀資産が4倍に膨らんでいるので、出口で多額の損失が出るリスクがある。縮小に向かえば、ETFの売却で株価が大きく下がる要因にもなる。最早日銀は身動きの出来ない状況に陥っている。このような状況にありながら、大規模金融緩和の張本人である雨宮副総裁は次期総裁を頑なに固辞したという。雨宮はその理由を「次期総裁には大規模金融緩和の点検と修正が求められるが、自分は当事者なので客観的に公正な見直し作業が出来ない。また、中央銀行のトップ人事の世界標準は学者であり、内部昇格や官界からの登用などではない」と屁理屈を言っている。要は「食い散らかして逃げます」ということだ。自分のケツも拭けない輩と見える。兵隊であれば敵前逃亡に等しい。出口戦略は誰がやっても失敗する。他人に押しつけるのは無責任の極みと言えそうだ。

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文字は人類の財産

このブログを書き始めてから、今日で丸12年が過ぎた。毎日書いているので、日数にすると4,383日と1日になる。随分遠くまで来たものだと思う。先日偶々NHKBSのヒューマニエンス「文字  ヒトを虜にした諸刃の剣」の再放送を見た。「文字」は「言葉」と一緒に扱われることが多いが、実はまったく違うという。例えば、言葉は誰もが生まれながらに習得できるが「文字」は教育の社会インフラが不可欠。脳での処理が違い、話すためには言語野があるが、読み書きのためには専門領域が無く、幾つかの他の領域を流用している。ヒトのヒトたる所以だ。「言葉」は残らないが「文字」は歴史に残り、それが歴代引き継がれていく。人類の財産なのだ。なるほどと思った。今まで「文字」と「言葉」は同じ機能を果たすものと思っていた。同時に、このブログにも意味があるのだと気付いた。ただ書くのが好きで書いていたが、自分の思いが後々まで残るのだ。この12年間意味のあることをし続けてきたのだと嬉しくなった。

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チャットGPTを試してみた

チャットGPTが注目を浴びている。早速サインアップして試してみた。質問は昨日のブログ「2026年ミラノ五輪を見納めに」と対比するため「2030年冬季五輪の立候補都市がゼロになった理由は?」とした。10秒ほどで回答が返ってきた。その回答が「2030年冬季五輪の立候補都市がゼロになった理由は、複数の要因が重なった結果です。新型コロナウイルスの感染拡大による財政的な影響や、過去の五輪開催国の財政赤字や施設の余剰など、五輪開催の負担やリスクを慎重に考慮する動きが世界的に広がったことが大きな要因とされています。また、国際オリンピック委員会(IOC)も、将来的には五輪開催の持続可能性を重視する方針を打ち出しており、立候補都市の減少につながったとされています。」だ。なかなかの優れものだ。AIの進歩を肌で実感した次第。

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2026年ミラノ五輪を見納めに

2030年冬季五輪の立候補都市がゼロになった。世界中で五輪嫌いが広がっている。2030年冬季五輪には、札幌、バンクーバー、ソルトレイクシティが立候補していた。だが、2020年東京五輪で大会組織委員会幹部による汚職が発覚し、イモヅル式に逮捕者が出ている。この影響を受け最有力候補だった札幌が招致活動を停止した。バンクーバーは地元州政府が招致活動の不支持を表明し、実質的に取り下げることになる。ソルトレイクシティは2034年の開催希望に切り替えた。五輪嫌いになる要因は幾つもある。1つは開催費用。開催すると初期見積もりの数倍の費用がかかる。IOCが収益確保のために精巧な施設やイベントを義務付け、開催都市に費用を押し付けているためだ。1つはIOCの体質。ぼったくり男爵が利権を行使する。五輪貴族が特権的な地位を盾に過剰な接待を受ける悪習が定着している。更にパンデミックの真っ只中なのに契約を楯に強引に開催し、開催都市や人々を軽視する。冬季五輪に限れば、地球温暖化で雪不足となり人工雪に頼る都市ばかりになりつつあり、満足に競技を行える都市が無くなりつつある。今世紀末には札幌しか残らないと言われている。その札幌市民の3人に2人が開催に反対している。2026年ミラノ五輪を見納めにすべき時期を迎えている。

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好きこそものの上手なれ

カミサンが所属する書道会で最高の賞を受賞した。カミサンは師匠が亡くなった後、社中に属さず独自で書道の道に励んでいたので、最高の賞を受賞するとは夢にも思わなかったようだ。その喜びが手に取るように分かった。書道展は六本木の国立新美術館で、表彰式は明日だ。表彰式ではカミサンの挨拶が予定されている。だが、天気予報は大雪を告げている。万が一にも遅刻は許されない。そこで、近くのホテルに1泊することにした。六本木に早めに着いたので昼食は東京ミッドタウンにある茅乃舎で摂った。出汁が美味かった。その後書道展会場に向かった。入口の最も目立つ場所にカミサンの作品が飾られている。会場を一回りしたが、素人の自分にもカミサンの作品がピカイチであることが理解出来た。夕食は奮発して東京ミッドタウンにある喜扇亭でステーキコースディナー。まずはシャンパンで乾杯。夜景も綺麗で、料理人との会話も弾み、料理も美味しく、受賞祝いに最適なディナーとなった。カミサンの書道歴は55年。継続は力であるが、好きこそものの上手なれということのようだ。

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ノー・ジャパンからイエス・ジャパンに

韓国の反日不買運動が下火になっている。文政権時代は国を挙げて「ノー・ジャパン」を叫んでいたが、今では韓国の各自治体が観光・投資誘致に乗り出し、日本へのアピールに余念が無いとのこと。あまりな様変わりだ。政権が「文」から「尹」に代わったからだけでは説明がつきそうもない。主要因は韓国経済の救いようのない落ち込みだ。韓国の経済は輸出に支えられている。文政権時代は、日本との貿易を激減させ、中国頼り一辺倒になった。ところが、中国との貿易量が激減し始めた。韓国の対中輸出の9割は中間財だったが、中国は2015年に発表した「中国製造2025」で、大規模な輸入代替策に転換した。中国が中間財を自製するようになったので、韓国の対中輸出が激減したのだ。韓国は今になって気付き慌てふためいている。もう1つの要因は年功序列賃金制だ。労組の強い抵抗で年功序列賃金の手直しが全く出来ない。日本以上に遅れている。これが個人消費の上がらない原因になっている。全ては文政権の置き土産と言えそうだ。今は非常事態だ。細かいことに文句を言わず尹政権を支えることこそ韓国再生の道だと思うのだが。

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トカゲのシッポ切りかも

東京五輪の談合事件で組織委元運営局次長が逮捕された。立件対象の受注総額は何と史上空前の400億円に上るという。スポンサー選定などで2億円の賄賂を受け取り受託収賄罪で起訴された高橋元理事の汚職事件の捜査でこの談合事件が浮上した。始めはテスト大会での1億円だったが、本大会に至り400億円に膨らんだとのこと。逮捕者は組織委元運営局次長の他に、電通スポーツ局長補、フジテレビ子会社専務、イベント制作会社専務で、不当な取引制限の疑いだ。400億円もの大金を、次長一人の判断で出来る訳が無い。五輪組織委員会の上層部には、闇バイト強盗殺人の渡辺のように事件を指揮っていた輩がいたはずだ。次長の逮捕はトカゲのシッポ切りかもしれない。東京五輪組織委員会は昨年6月に解散し、残った業務を引き継いだ清算法人も3月末で業務を終了する。これで何もかもが有耶無耶になる。まるで出来の悪い政界・刑事物ドラマを見ているようだ。でも、将来きっとドキュメンタリー作家が、見応えのあるストーリーに仕上げるに違いない。

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乳離れ出来ない赤子の集団

「安倍晋三回顧録:中央公論新社」が発売される。既に亡くなった人が今、回顧録を出すのは変だと思っていたら、生前にインタビューを受け本としては完成していたが、あまりにも機微に触れるとして安倍元首相が刊行を見送った経緯があるとのこと。通常回顧録はほとぼりが冷めた10年後くらいに刊行するものだが、内容は兎も角、忘れ去られる前に刊行するのは生々しくて、タイムリーとも言えそうだ。ところが、自民党内では、刊行とは関係なく、今でも安倍元首相の亡霊が蠢いているとのこと。安倍はLGBT法案について「これは闘争だ。絶対に通すな」とハッパをかけていたという。伝統的家族観を重んじる日本会議のシンパであり旧統一教会とも深い繋がりがあるので、その古い価値観を破壊しかねない法案には反対という訳だ。岸田がLGBT法案に苦労しているのも、抵抗勢力は安倍の亡霊に支配されている安倍派の存在だ。防衛増税についても、安倍が国債で良いと言ったからとして、国債と言い続けているのも安倍派だ。安倍派は未だに乳離れ出来ない赤子の集団のように映る。

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日本最古の共産党の行く末(2)

このブログ「日本最古の共産党の行く末」にも書いた日本共産党の党員に、最も重い除名処分が下された。書籍「シン・日本共産党宣言:文春新書」で、全党員参加の党首選を提唱し、志位委員長が委員長職を20年以上続けていることは国民の常識からかけ離れていると言及しただけなのに。この党員に対し、共産党側は機関紙「しんぶん赤旗」紙上で藤田健編集局次長が「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしないとした党規約に違反する」と反論した。志位委員長は記者会見で「赤旗の論説に尽きる」と強調した。小池書記局長も「党を攻撃する分派活動と見なさざるを得ない」と処分の正当性を主張した。やっていることはスターリンと変わらない。これでは日本共産党は100年経っても開かれた党にはならない。しかし、この党員の主張は共産党への攻撃なのだろうか。いや、共産党存続のための援護射撃であり、権力を固持する共産党幹部への攻撃と見るべきだろう。いずれにしろ、民主的選考をやるべきだという意見を排除するのが日本共産党だということがハッキリした。次回の国政選挙の行方が楽しみだ。

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「社会が変わってしまう」の意味

岸田首相が荒井首相秘書官を電光石火に更迭した。「LGBTには秘書官室もみんな反対している。隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」とオフレコで話したからだ。LGBT理解増進法案は2021年に超党派議員連盟が策定したが、国会提出が見送られた経緯がある。自民の岸田派も公明も野党も賛成しているのだが、自民党内の強硬派と旧統一教会シンパが反発したからだ。だが岸田は予算委員会で「全ての国民にとっても家族観や価値観、社会が変わってしまう課題」と答弁した。岸田は法務省が作成した答弁文を読んだに過ぎないが「社会が変わってしまう」の部分だけは岸田のアドリブだったとのこと。「社会が変わってしまう」という言い方は「変わらない方が良い」という意味だから、岸田はナ~ンチャッテLGBTということだ。恐らく首相秘書官はそれを素早く感じ取ったのだろう。しかも、荒井は岸田のスピーチライターだ。思わず岸田の気持ちになって暴言を吐いてしまったのかもしれない。一方岸田からみれば、荒井によって化けの皮を剥がされたと感じたのだろう。そこで電光石火の更迭を喰らわしたと考えると、一連の動きが腑に落ちる。

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マスコミが潰す若きアスリート

今年の全国都道府県対抗女子駅伝で17人抜きの快走をみせたドルーリー朱瑛里選手がマスコミに潰されそうだ。ドルーリー朱瑛里選手は中学3年生でまだ15歳だが、異次元の走力を持っている。全国対抗女子駅伝で脚光を浴び、晴れの国岡山駅伝でも実力を発揮した。ところが、次週の琵琶湖クロカンを欠場すると発表した。決して故障した訳ではない。ドルーリー朱瑛里選手が弁護士を通して発表したコメントは次の通りだ。クロカンの経験が無く、挑戦する気持ちで申し込んだが、全国対抗女子駅伝以降のマスコミ取材や撮影や声援に不安を感じた。練習が以前のように自由にできなくなり、過度な報道で精神的にも疲れた。自分が発言していないのに学業や趣味など陸上以外の事も大きく報道されて戸惑っている。周りの人にも迷惑をかけているので、過度な取材は控えてほしい。高校生になっても、陸上は続けていく。もっと記録を伸ばせるように、努力しようと思っている。そっと見守っていただけるとありがたいです、と。このままではドルーリー朱瑛里選手は、不破聖衣来選手のようにマスコミに潰されてしまう恐れがある。影でそっと応援することこそ、若いアスリートを育てることに繋がるのだが。

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日本最古の共産党の行く末

日本共産党にさざ波が立っている。共産党といえば、党創立100周年を迎えた日本最古の政党で、20年以上も志位委員長がトップを務めている。でも、党首公選が行われてきた訳ではない。党規約では、2~3年に1回開く党大会で代議員の選挙により200人の中央委員を選出し、中央委員の中から委員長ら幹部を決めることになっている。一方、中国では習近平がコロナ対策で失敗し、国民の支持を失ったが、中央委員を固めることで不動の地位を築いた。まるで中国の国家主席を選ぶ方法とソックリだ。そこで、このシステムに異議を唱えた党員が現れた。かつて党の安保外交部長を務めた党員だ。党員は「国民の常識からかけ離れていると言わざるを得ない」更に「全党員の党首公選を行い、ヒラ党員も立候補できる仕組みにすべき」と訴えた。ところが、志位は「民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決めると定めている規約と綱領から逸脱している」と一蹴した。民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決めれば良いのか。それならば、公選制にすべきだ。従って党員の言い分が正しいと思う。今の日本共産党は完璧なヒエラルキー構造になっている。委員長をはじめ幹部は貴族そのもの。まずは、この構造を打破することこそ、新生共産党の道だと思う。でも、その前に「共産」の看板を降ろすべきだと思う。

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立憲民主党の政策検証は

立憲民主党は、民主党政権が進めたが自民党政権になってストップした政策を洗い出す「失われた10年政策検証プロジェクトチーム」を設置すると発表した。民主党政権は、当時子ども手当の所得制限撤廃や農家の戸別所得補償や選択的夫婦別姓などの政策を掲げていた。この政策を継続・導入していた場合の効果を検証するという。サルでも反省するから、反省をしない政党が自らの政策を反省することは良いことだと思う。でも、動機は不純だ。岸田政権が子ども手当の所得制限撤廃を言い出したことに対し、かつての自民党の政策が失敗だったと断じ、攻勢を掛けたいからだ。自民からは「自分たちを正当化する検証なら意味がない」との声が出ている。日本維新の会幹部も「揚げ足取りのパフォーマンスだ」と冷ややかだ。そもそも、民主党が早々と所得制限撤廃を断念した理由は財源確保の見通しが甘かったからだ。財源の無い政策など絵に描いた餅。斯くして、プロジェクトチームは民主党の政治能力の無さを思い知ることになるのだろう。それでも、政策を反省することが政党に根付けば、我が国の立法における立憲民主党の大きな功績と言える。

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ゼロコロナから集団免疫を獲得する国

中国政府はゼロコロナ政策を大転換し、厳格な規制を撤廃した。しかも、コロナ感染死亡の定義を変更して見かけの死亡者数を少なくし、ゲノム解析を止めて変異株から目をつむり、国民には海外旅行を推奨した。昨年末のピークの時も一日の新規感染者数は2000人台で死亡者数も2桁に過ぎないと主張していた。ところが、今度は一転して北京が集団免疫を形成したと発表した。でも、集団免疫を形成するためには、北京の全人口の70~80%が新型コロナに感染していなければならない。北京の人口を2200万人とすれば「約1700万人が新型コロナに感染した」ということになる。ゼロコロナ政策時の感染者数は全中国でも数千人で、大転換後も数千人と公表してきた数字と全く乖離している。ゼロコロナ政策の数千人も、大転換後の集団免疫獲得も信用出来ない。これが世界第2位の経済大国なのかと嘆かわしくなる。大昔の中国は世界で最も文化の進んだ国でもあった。経済に文化が追いつくのはいつになるのだろうか。いや、追いつくことはあるのだろうか。

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