ソニーが永遠のペットを売りにしていたAIBOのアフターケアー事業を止めたことは、このブログ「2014年8月1日:医師に見放されたAIBO」に書いた。「愛玩ロボットはある意味で生き物だ。生き物の命を絶つ行為と言える。同時に飼い主の心まで傷付けることになる」という内容だった。嘗てのソニーは「まず顧客の求めるモノを作り、その結果利益に繋がる」という創業者の理念があったが、順序が逆転し「利益を上げるためには」だけが最優先される詰まらない会社になってしまった。ところが、その創業者理念はソニーを離れた場所で細々と生き延びているようだ。ソニーの技術者OBたちがAIBOの修理会社を立ち上げ、獣医の仕事をしているとのこと。追い出し部屋に放り込まれた技術者が退社後、AIBOの修理を手掛け始めた。治ったAIBOを見て涙を流して喜ぶ飼い主に接し、技術者冥利を感じているようだ。平井社長はAIBOのメンテ事業をバッサリと切った。もし少しでも顧客のことを考えて、メンテ事業をどこかの会社に委託するような配慮があれば、ソニーはこれほどダメ会社にはならなかったのではないかと思う。経営トップが、顧客と利益のどちらを優先するかで会社の浮き沈みが決まってしまうようにも見える。果たしてソニーはこの先再び浮かび上がることがあるのだろうか。
大型連休が近づき、新入社員はそろそろ会社生活に慣れたかもしれないし、はたまた五月病を迎える人もいるかもしれない。新入社員研修が大変だというニュースが載っていた。会社のメールで、絵文字を使う新入社員がいて問題となり、社員教育はそこから始まるのだという。大変な世の中になったものだ。しかし、絵文字そのものは世界の中でしっかりとステイタスを確立しているようだ。日本生まれの絵文字が、世界中で認知されEmojiとして広まっているとのこと。Sushi、Samuraiなどに続く横文字だ。世界には多くの種類の言語がある。英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、アラビア語、中国語等々数え上げたら切りがない。それぞれの言語には慣用句があるので、同じ事を表すにも言い回しが違ってくる。でも、絵文字ならば世界共通だ。因みに、世界で最も多く使われている絵文字はニコニコマークで、2位は悲しい顔、3位はハートマークとのこと。自分は、女の子とのメールでは、ニコニコマークと悲しい顔と音符記号をよく使う。但しハートマークは誤解が生じやすいので一度も使ったことはない。勿論男性相手には絵文字は使わない。唯一の例外は子供へのメールだ。絵文字を使わないメールはない。どうやら絵文字は人と人の間の距離感の尺度にもなっているようだ。
卓球の世界選手権が始まった。偶々テレビを点けたら「みうみま」が戦っていた。「みうみま」の「みう」は平野美宇、「みま」は伊藤美誠。1月の選考で、あの平野早矢香、石川佳純組が代表を落選し、選ばれたのが「みうみま」。ミキハウスが選考基準が明確ではないと抗議していた当人たちだ。1回戦の試合を見る限り、平野/石川組と較べても遜色はないと思った。「みうみま」はともに中学3年生で、伊藤は福原の日本代表最年少記録を更新。去年のドイツオープンではツアー史上最年少の13歳で制覇している。実績もあり伸び盛り。この二人は5歳からペアを組んだと言うから、既に相性はベテランの域に達しているようだ。女子ダブルスの試合を見ていて、初めて気付いたことがある。試合中、この二人の距離は1mと離れない。相手が右に動けば自分は左に、前に行けば後ろに動く。床に落ちた球を取りに行く時は、近い選手が取りに行き遠い選手は卓球台の近くにいるのが普通だが二人は違う。2人揃って球を取りに行くのだ。まるで自分の目が乱視で景色が二重に見えるかのように、二人の行動が重なって見えた。まさにシンクロしているのだ。このシンクロの凄さを見るだけで、この二人は間違いなく近い将来にダブルスを制覇するのは間違いないと確信した。世界選手権への選手選考は難しい。実績を取るか、将来性を取るかで意見が二分する。しかし、考えてみれば選考は簡単だ。将来性のリスクを取る選考者は、その結果にも責任を取れば良い。推薦した選手が負ければ辞める、勝てば職を全うする、只それだけの事だと思う。選考者の職への拘りが、選手選考を歪めているように見える。
錦織は強かった。何とバルセロナオープンで連覇を果たした。第1シードで2回戦からの出場だ。相手は2回戦ガバシビリ、3回戦ヒラルド、準々決勝アグト、準決勝クリザン。相手はランク下とはいえ、手を抜けば直ぐに付け込まれる強敵ばかりだ。その証拠にナダルもフェレールも敗退してしまった。でも錦織は圧倒的に強かった。こんなに強くて頼りになる日本人テニス選手は見たことがない。ところが決勝はアンドゥハール相手に一転して苦戦を強いられた。アンドゥハールは、まるで錦織のような動きを見せゾーンに入りゲームを支配していた時間が多かった。だがアンドゥハールは最後の最後で自分のダブルフォルトと、錦織の止めのリターンエースで沈んでしまった。捨て身作戦で力が尽きたのだろう。今テニスの世界では、クレーコートが主流になっている。世界ランクの上位は殆んどクレー育ちの選手で占められ、ハードコート育ちの選手は錦織一人だ。ハードはビッグサーブがものを言うが、クレーは球足が遅く技術、戦術、スタミナ等の総合力が必要になる。錦織がバルセロナオープンで勝てた要因は、クレーを克服したことだろう。言い方を変えると、ハードコートの速いテンポのストロークを持ち込み、クレーコートでの戦い方に革新をもたらしたとも言えるだろう。錦織のクレーコートでの戦いは、マドリード、ローマそして全仏オープンへと続く。楽しみになってきた。
小学1年生になった孫が我が家に遊びに来た。父親は出張のため一緒に来られなかったので、父親代わりに遊ぶことになった。男の子だけにスポーツが好きだ。狭い庭でテニスや野球に興じた。ラケットもバットも強く打たないよう言い聞かせていたので、フラストレーションが溜まったようだ。広い公園で思いっきり打ちたいと言う。昔は小学校の校庭が使えたが、今は関係者以外は立ち入り禁止で入れない。そこで少し離れた広場に行ってみた。野球禁止などの掲示が無いことを確認し遊び始めた。孫は小学1年生だから、バットは勿論プラスチック製でボールは硬式テニスボール。自分が投手になり、孫は打者専門。始めのうちはバットを胸の前で構えるので当たらない。そこでバッティングフォームを教えてあげた。如何にも打てそうなフォームになった。投げたボールがストライクゾーンに行くと、バットの芯で捕えた鋭い打球を連発した。贔屓目に見なくても素質がありそうに思われた。余りにも鋭い球を打つので、長いこと熱中し時の経つのを忘れるほどだった。熱中している間に、何故か昔自分の子供と野球をした思い出が蘇ってきた。孫とその親である自分の子供の姿が重なり、タイムスリップしたような感覚に襲われた。自分は運動オンチだが、自分の子供たちは野球が上手かった。子供の子供である孫は、子供の運動神経を引き継いでいるようだ。運動オンチが自分の代で途切れたことを嬉しく思えた、孫とのひと時だった。
毎年ゴールデンウイークは我が家一家が全員集合するのが恒例になっている。しかし我が家の3人の子供たちも社会人として中堅になり、自分たちの都合だけで日程を決めることが出来ない年齢に達したようだ。次男は出張で日程の折り合いがつかず、全員集合は叶わなくなった。そこで、次男を抜いて嫁さんと孫たち2人が全員集合日前に我が家に遊びに来た。孫たちは我等ジジババが大好きだ。嫁さんも舅姑を避ける様子はない。実の子供である次男が一緒に来なくても、嫁さんが我が家に遊びに来るのだから、嫁姑の確執はないと言えそうだ。いつもは我が家でカミサンが料理を作り団欒の一時を過ごすのだが、今日は義母も連れて6人で近所の行きつけのカジュアルレストランで夕食を摂った。料理は美味しく、会話も弾み楽しいひと時を過ごしたが、孫たちの少食具合が少し気になった。でも孫たちは、運動神経も良く快活でスクスクと育っている。沢山食べれば良い子に育つという時代は終わっているようだ。後進国の子供ほど太っている事実を見れば、食べれば育つと言う言葉も過去のものになっているのかもしれない。それはそれとして今日一番感銘したのは、我が家の実の子供もいないのに嫁さんたちが1泊で我が家に遊びに遊びに来たこと。まさにゴールデンウイークが始まった。
今日アップルウォッチの日本販売が開始された。ニュースでは例によって販売店の長蛇の列が映し出され、情報番組では現物をいじくりまわして騒いでいる。アップルウォッチは時計表示もあるんですと、ウォッチならば当然時計機能があるのに、そんな事が話題になっている。アップルウォッチの「ウォッチ」とは、単に「時計」を指すのではなく「時計のように腕にはめる」という意味に捉えられているようだ。まさにウエアラブル端末なのだ。しかしアップルウォッチはアイフォーンの子機のようなものだから、アイフォーンを同時に身に付けていないとメールも通話も出来ないようだ。技術としては未完なのかもしれない。あと数年も経つと、ウォッチとアイフォーンが一体化されて、今日発売されたアップルウォッチは初期のプロト機としてアップル本社の歴史ケースに飾られる定めなのかもしれない。一方、我が家ではガラケーで大騒ぎだ。日経朝刊1面トップには「ガラケー生産終了」の記事。カミサンが騒ぎ出した。自分はスマホに対応出来るが、お年寄りには無理かもと心配している。南米大陸の西にあるガラパゴス諸島は自然保護対策が講じられ、生き物は独自の進化を遂げ続けている。ガラパゴス携帯というから、独自に進化し生き延びるものかと思っていた。しかし、日本で育ったガラパゴス携帯はアンドロイドに駆逐され、風前の灯だ。行く年来る年のように、携帯端末機の潮目のようだ。
テレビを見ていたら、沢井製薬のCMで高橋英樹が「ジェネリックにしか出来ない革新技術、それが沢井製薬です」と言う。思わず笑ってしまった。ジェネリックとは、特許が切れた他社製品の模造品だ。そこに革新技術などあるはずがない。革新技術開発に苦労した期間がないからその分安い。医療費抑制のため厚労省がジェネリックを推奨しているが、効能が先発薬と同じとは限らない。自分は先発薬とジェネリックの効き目の違いを経験したことがあるので、あまり信用はしていない。だが、このCMは薬の宣伝だけにクスリと笑えた。一方笑えない冗談みたいなものもある。新聞に「ニュースで伝えられないこの国の真実:辛坊治郎:中経出版」という本の宣伝が載っていた。副題は「今こそ話そう、マスメディアの裏側を」で、主な目次は「五輪プレゼンで語られた安倍首相の嘘とは」とか「STAP細胞騒動の黒幕は」とか「イスラム国渡航未遂事件の真の主人公」など。だが、この辛坊治郎なる人物は、長年日本テレビの報道番組でメインキャスターを務めて毎週時事問題を取り上げ報道しているのだ。この本の目次が事実ならば、番組のキャスターとして、今まで一体何を掘り下げしゃべっていたのだろうかと疑念が湧いてきた。勿論こんな支離滅裂な人物が書いた本など読もうとも思わない。ただこの人の頭の中の構造は、どうなっているのだろうかと不思議に思うだけ。落語の落とし噺みたいだが、全く笑えない話だ。でも落語に出て来るヨタロウと思えば笑えるかもしれない。いずれにしても、お後が宜しいようで。
NHK受信料を支払わない方法として、筑波大の准教授がNHKだけが映らないアンテナを開発した事はこのブログで4月13日に書いた。更に支払わなくて済む別の方法があることが分かった。NHKが受信料の支払いを求めた裁判で敗訴したのだ。内容はこうだ。NHKは受信契約したにもかかわらず受信料を支払わない男性に対し支払い請求の裁判を起こした。男性は契約は締結していないと主張。裁判所が、契約書の署名を調べ男性の筆跡ではないと認定した。その結果「受信契約を締結したものとは認められない」として「放送受信料の支払い請求は理由がない」と結論付けたとのこと。放送法では「テレビを設置した者はNHKと受信契約しなければならない」とあるが、「契約しなければ支払う必要はない」ということだ。「テレビを持っていれば支払い義務が生じる」というNHKの主張は否定された。さて次なる問題は「テレビを持っていても受信契約をしないこと」に対し、どのような処罰が下されるかだ。勉強不足なので不確かなのだが、放送法には違反に関する処罰規定はないらしい。となれば、NHKはすぐさま処罰規定を付け加える法改正に走るに違いない。NHKのあり方に疑問や不満を持つ者は、法案の是非を国民レベルで議論出来るよう、常に目を光らせておく必要がありそうだ。それがNHKを良くするための国民の義務とも言えそうだ。
日本橋三越本店に「地平アイコ」というロボット受付嬢が登場した。まだニュースでしか見たことはないが、人間らしい容姿で表情豊かに館内案内を説明している。登場初日とのことで、物珍しさも加わり大盛況だ。地平アイコは東芝製のロボット。身振りを加えて台詞をしゃべるが、情報内容はWEBに繋がった電子看板であるデジタルサイネージを見る必要がある。人間との音声による対話は出来ない。プロトタイプの価格は1体数千万円と高額だ。店長は、笑顔を絶やすことなく正確に繰り返し説明出来ることや、単なるデジタルサイネージだけの情報提供よりも顧客の記憶に残り易いと強調するが、果たしてそうだろうか。ひと昔前に登場したしゃべる飲料自販機を思い出す。飲み物を買うと、自販機が「ありがとうございました」と言う。初めて聞いた時は驚いたが、2回目は「バカか」と思った。それ以降は言葉が耳を素通りした。単なる雑音にしか聞こえなくなり、更にはその雑音にも気付かなくなる。機械が発するお礼など無用の長物だ。アイコの笑顔も同じ運命を辿るに違いない。どうやら店長は思い違いをしているようだ。人が感動するのは笑顔ではなく生きた受け答えだ。ロボットにはロボットにしか出来ない仕事が適している。例えばアイコを如何なる言語でも音声による対話が出来るようにして、外人専用コンシェルジュ嬢にする。ヒト型ロボット技術は日本の独壇場だから、外人にウケること間違いなし。来日客は、挙って三越本店を目指すことになるかもしれない。
20年前頃の2次電池と言えば、鉛蓄電池が主流だったがニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池が登場し小物電子機器の普及に繋がった。そしてリチウムイオン電池が登場し市場の爆発的な広がりを見せている。当初のハイブリッド車はニッケル・水素蓄電池を搭載していたが、今は殆んどがリチウムイオン電池に置き換わっている。当初は火災トラブルも多かったが、空を飛ぶ飛行機でさえリチウムイオン電池を積む時代になっている。まさにリチウムイオン電池が、我が世の春を謳歌している。ところが早くも強力なライバルが現れそうだ。スタンフォード大学のアルミニウムイオン電池だ。リチウムイオン電池よりも優れている点は、発火しないので安全、充電時間がたったの1分、充放電サイクルが1桁大きく寿命が長い、材料費が安価、薄く折り曲げも可能、と良い所だらけ。残された課題は、電圧とエネルギー密度を上げること。これをクリアーすると商業化出来るという。驕る平家は久しからず。2次電池の世界においても、まるで時代絵巻を見ているようだ。
やっと医療被曝抑制のための基準が作られたようだ。日本ではCT検査が盛んだ。国内のCT検査装置は1万台を超え、実施件数は年間4千万件に達し、世界的にも日本が突出している。X線検査の被曝量が1回当り0.06ミリシーベルトであるのに、CT検査は5~30ミリシーベルトと非常に高い。福島原発の作業員の最大被曝量が10ミリシーベルトだから、CT検査の被曝量が如何に高いかが分かる。検査で使う放射線の量は、メーカーが推奨する値を参考にしてそれぞれの医療機関が決めているのでバラバラに使われている。しかも、高い線量を使う程、画像が鮮明になるため、増々高い方へシフトする傾向にある。この度、日本医学放射線学会など12の団体で作る「医療被ばく研究情報ネットワーク」が、検査の精度を落とさない範囲で目安となる基準を設けたとのこと。海外ではCT検査はなるべくしないようにしているらしい。英国の研究では、白血病や脳腫瘍が3倍近くも増えることが分かっている。ガンを見つけるために、ガンを作ってしまっては本末転倒。被曝量を抑えることも大事だが、安易にCT検査をしないルールを決める方が先決だと思うのだが。
自民党の党情報通信戦略調査会が異例にテレビ朝日とNHK幹部を呼び、報道番組の内容について事情を聴取した。対象はテレ朝の古賀爆弾発言とNHKクローズアップ現代のヤラセ。ヤラセは単なる一記者か、またはNHKぐるみの詐欺まがいだから呼ぶ必要もなかった。的は古賀発言。古舘が仕切る「報道ステーション」のコメンテイター古賀が、政府の圧力による降板に抗議して「菅官房長官からの圧力だ」と台本を外れて発言したことから事件は始まった。その伏線には、イスラム襲撃事件ので仏の「私はシャルリー」をもじり、安倍発言により人質が殺害されたことに反発した「I am not ABE」発言があった。これに官邸が激怒。だが国民はその古賀発言をそれ程間違ってはいないと思っているはずだ。批判された菅官房長官は「放送法に則り中立に報道しろ」と要請した。だがこの要請は、やくざの世界から見れば威嚇に等しい。何を中立と言うかは分からないが、中立でなければ放送権を剥奪するということだ。だからテレ朝幹部は真っ青になる。これだけで終われば、やくざの脅しで終わったのだが、続編があった。自民党の菅の子分がテレ朝を呼びつけダメ出しを出した。調査会会長の川崎二郎元厚生労働相は、テレ朝専務に「菅さんにお詫びはしたのか」と切り出した。まるで菅ストーリーが全て正しかったとでもの前提で、後は子分が始末をつけるという塩梅だ。しかも、オマケがついている。テレ朝専務は平謝りして、その他報道局は何の反応もなく静かにパス。ひょっとすると、2015年4月は日本に恐怖政治が始まり、マスコミが死んだ日として記念される日になるかもしれない。凄く残念。
今週翁長沖縄知事が日中友好団体の訪問団の一員として河野元衆議院議長と共に中国に行き李首相と会談した。沖縄県知事なのだから当然訪中の目的は、中国の脅威に曝されている尖閣を含む沖縄諸島への圧力を和らげることかと思っていたが、そうではなかった。「沖縄が琉球王国であった頃は中国の属国であった時代もあり、今後も是非交流の促進を」と言ったとか。火に油を注いだようなものだ。中国側から見れば、飛んで火に入る夏の虫とも言えそうだ。中国のシナリオはヘボ脚本家でも容易に書ける。中国が、沖縄は元々我が国の領土だったから返せと言い出すのは目に見えている。中国は琉球王国の復活を狙っている。もしスコットランドのような独立機運が生じて琉球王国が復活すると、まず中国人が大量に移住し住民投票で中国併合が可決される。ここまでは米国がハワイを併合した方法と同じだ。次は沖縄県民が少数民族のチベットと同じように迫害され、挙句の果て島から駆逐される。そして島は南沙諸島のようにコンクリートで固められ自然が破壊され、軍港と滑走路が建設されて軍人だけが住む一大軍事基地に変貌する。民意を盾に辺野古移設阻止を主張する気持ちは分かるが、中国との接し方は熟慮した方が良い。なにせ今は那覇市長ではなく沖縄県知事なのだから。県知事として沖縄県民の為善かれと思った行動が、沖縄県民を不幸に導いてしまう恐れは充分にある。辺野古移設には、時代を深読みする力が求められている。
昨年10月に打ち上げられた気象観測衛星「ひまわり8号」による動画が初めて公開された。ひまわり7号の画像と較べると、静止画像が動画に変わったと感じるほど劇的変化だ。しかも世界初のカラー画像であり、更新時間も30分から2分半に短縮されているという。センサーが5個から16個に増えたので情報の質が格段に上がったようだ。7号では白黒で解像度も低かったので雲と噴煙を判別するのは難しかった。ところが8号は、雲の種類や噴煙や黄砂や積雪の状態までも判別出来るとのこと。台風や集中豪雨や噴火について格段に予報精度が上がることが期待出来る。今後同じ設計の9号も打ち上げられ、受送信の地上設備も埼玉県鳩山町以外に北海道江別市にも設置し非常時に備えるという。費用は8号と9号を合わせ、衛星製作費用約340億円、打上げ費用約210億円とのこと。気象庁が有効に活用出来れば決して高くはない。暇な気象庁にもやっと真面な仕事が回ってきたようだ。
福井地裁が高浜原発3、4号機の再稼働を認めない仮処分決定を行い、画期的な裁定だとニュースが流れた。裁判長は原子力規制委員会の新規制基準が緩すぎて、これに適合しても原発の安全性は確保されないと断定した。矢張りそうだったのかと思った。裁判長は新規制基準について相当検討して結論を出したのだろうと推測した。だが、そうでもなさそうだ。史上最大の地震は基準地震動より大きいからというのが根拠のようだ。それでは根拠とは言い難い。その他の仮処分理由にも、使用済み燃料プールの給水設備の耐震クラスが最高レベルSなのに比較的低いBと間違われていたり、原発の冷却機能は充分あるのに不安定になるとの裁定は事実誤認であると田中原子力規制委員長と言っている。画期的な裁定の割には、根拠が曖昧で間違いも多い。この仮処分は、一度も実質審理をしないで出した裁定とのことなので、樋口裁判官の個人の意見に過ぎないのかもしれない。国民は誰しも安全の確保に少しでも不安がある原発は、稼働せずに廃炉にすることを願っている。真面な裁判で納得のいく裁定を出して欲しいものだと思う。
張本のカズ引退勧告と、それに対する横浜FCカズの対応がネットを騒がせている。事の発端はTBSの「サンデーモーニング」のご意見番(?)張本が、Jリーグ最年長ゴール記録を更新したカズに対し「若い選手に席を譲らないと伸び盛りの選手が出られない。だから、もう辞めなさい」と言ったこと。そして、カズはその言葉を「激励」だとポジティブに受け流したとのこと。「サンデーモーニング」のご意見番は、大沢親分がいた頃は面白かった。辛口だが、少し控えめで、人情味たっぷりで、見識を持ちながら、かつ高所から俯瞰していたからだろう。ところが、張本一人になってからは酷い。昔のワルガキがそのまま図体だけがデカくなり、言い回しだけがご意見番になったようだ。そもそも「喝!」と「あっぱれ」の価値判断が狂っている。本人は通算安打3085本の日本記録を持っていて、例えイチローが日米通算4000本を記録しても、日本記録は自分のものだと主張している。当時の日本プロ野球の実力はMLBの2軍以下にも関わらず、MLBの方が年間試合数が多いからだと、訳の解らない理屈を捏ねている。また岩隈の続投を巡って自分に楯を突いた江川紹子を強引に番組から降板させたりしていた。まさにこの人の人生は一生ワルガキなのだ。大沢親分が張本に墓場の陰から「喝!」と言っているかもしれない。その点カズの対応は「あっぱれ」だ。大人の対応だ。30代のカズはスター気取りでチャラチャラしていて、もうこの人も終わったかと思っていた。ところが、それが過ぎると本来のカズに戻った。サッカー一途の人生になった。もう頑張らなくても良いのでは、と思うが頑張っている。カズの頑張りは一人の若いサッカー選手の席を奪っているかもしれないが、何千何万というサッカー選手の卵たちに夢を与え続けている。真っ当なご意見番であれば「動けなくなるまで輝き続けなさい」と言うはず。腕力だけのご意見番にはそろそろ退場が近そうだ。
NHKの受信料は法律的には義務ではない。放送法には「テレビを設置した者は協会と受信契約をしなければならない」と記されているが、受信料支払いは契約に記載されているだけ。だからもし不払いしても、民亊の契約違反には当たるが刑事罰には当たらない。先月の国会で籾井NHK会長が「義務化されるとありがたい」と口を滑らしたので、義務ではないことがバレてしまった。NHK受信料は衛星契約で2,230円/月だから年間26,760円と高額だ。NHKは高額な受信料に見合う番組だけを流しているのかと、民放と変わらない低俗番組を見るといつもそう思う。今でも高額なのに、総務省はテレビのない家庭からも受信料をむしり取ろうとしているし、NHKはスマホからも徴収しようと算段しているようだ。NHKは公共放送であることを自覚し、華美を慎み、民放とは路線を異にし、支出を抑え、受信料の低減に励むべきだと思う。一方NHKの横暴にカチンときた筑波大の准教授がNHKだけが映らないアンテナを開発し話題になっている。アマゾンでも「地上波カットフィルター」として販売されている。NHKだけが映らないテレビは特許上出来ないそうだが、アンテナで可能になった。ホテルなど需要は多いはず。これがNHKのあり方に一石投じることになることを期待したいものだ。
プロ棋士とコンピューターが競い合う将棋がある。3年前から始まった電王戦だ。ひと昔前は、将棋は複雑なので人間が絶対有利と言われていたが、コンピューターソフトの発展は目覚ましい。初回の米長永世棋聖が敗れて以来プロ側は3連敗している。ソフト有利の時代になっているのだ。ところが、今年は第5戦で阿久津8段が、たったの21手で相手を投了させてプロ側を勝利に導いた。プロ側勝利でお目出度いと言えばお目出度いのだが、問題もある。阿久津8段の相手はAWAKE。AWAKEは強いのだが弱点もあった。以前に指したアマ戦で、角を奪い取るハメ手が見つかっていた。阿久津8段はルールの中で貸し出されたソフトを検討し、このハメ手を選択した。勝ったものの阿久津は表情も暗く「人間相手には絶対ハメ手はやらないが、ルールの中でこの手が最善ということで選んだ」と言っている。既に知られているハメ手を使うのは、単なるソフトのやり手とか、プロの存在意義を脅かすとか、勝つために最善を尽くすのがプロだとかいう意見もあり喧々諤々だ。でも自分は阿久津8段の選択が正しかったと思う。プロ棋士同士の対決は、まず相手の手の内を知ることから始まる。相手の技量も弁えず自分の才能だけを信じて戦う棋士などいるはずがない。勝負とは、まず相手の弱点を探すことから始まる。相手がコンピューターソフトでも同じはずだ。ましてやプロ棋士は3年も連敗している。名誉を賭けて踏ん張る時でもある。ハメ手は兎も角阿久津8段が勝ったことは、コンピューターソフトに今一段の進歩を命じたとも受け取れる。勝負事は互いに切磋琢磨することこそ高みに登る。阿久津は胸を張るべきだ。
パナソニックが廉価な水浄化技術を開発したとのこと。現在世界には綺麗な水にありつけない人々が7億人いて、10年後には28億人に増えると予測されている。廉価な水浄化技術開発は人類にとって喫緊な課題だ。今でも水浄化システムとして逆浸透膜があるが、装置が大掛かりで費用がかかり過ぎる欠点がある。だから低所得者層の多い国々では普及しないが、それらの国々が廉価版を最も必要としている。パナソニックの技術はこうだ。光触媒を汚れた水に分散させ紫外線を照射した後、光触媒をろ過して除けば綺麗な水が得られるというもの。技術のポイントはゼオライト粒子に光触媒である二酸化チタンの微粒子をくっ付けたこと。これにより板状のものに較べ表面積が増え千倍くらい効率が上がったとのこと。紫外線照射すると光触媒により水に溶け込んでいる酸素分子が活性酸素に変わり、この活性酸素が、有害金属や大腸菌や環境ホルモンなどを分解除去するメカニズムらしい。1トンあたりの浄化コストを500円程度まで引き下げるのが目標とのことで、完成が待ち遠しい技術と言えそうだ。日本にはもっと廉価で簡単な水浄化技術もある。日本ポリグルが開発した納豆のネバネバ成分であるポリグルタミン酸で水を浄化する技術。殺菌作用はないので、煮沸か塩素殺菌が必要だが、10リットルがたったの1円と超安価だ。現在世界の40か国に輸出されている。日本ポリグルの浄化方法は簡易で重宝なので村向きで、パナソニックの方は市規模向きのようだ。いずれにしても、日本の水浄化技術が世界を救うことになりそうだ。
最高裁が画期的な判決を下したという。最高裁の判決は、法律の解釈の一例だから法律そのものとも言えるので重要だ。最高裁は、子どもの遊びでサッカーボールが校庭から飛び出し、それが原因でオートバイから転倒し死亡した事件について、親の監督責任は問えないとの判断を示した。従来は、民法に則り未成年者の過ちはそれを保護監督する親に責任があるとされていた。事実、その種の事件は尽く親の責任が追及されていた。その解釈に従えば、サッカーボールは親の責任になるのだが、それを覆した。最高裁の裁判長は「通常人に危険が及ぶと思われない行為では事故が起きるとは予見出来ず、親は監督責任を負わない」とした。まさに画期的な判断ではあるとは言えるが、同時に何を今更とも思う。そう言えば、民法が1896年の制定以来初めて改正される。120年近く経てこれだけ世の中が変わったのに今頃改正するとは遅きに失したと言える。今回の最高裁は法の解釈を少しだけ先取りしたようだ。常識的には最高裁の判断が正しいと思う。と言うよりは何故最高裁は今まで常識的な判断をしなかったのだろうと疑問が芽生える。色々考えると、今回の事例は最高裁が法解釈の世界からやっと常識の世界に近づいた証明なのかもしれないと思えてきた。
政府は6月のサミットに向けて、温室効果ガスの排出削減目標を2030年までに20%程度減らす案を軸に検討に入ったとのこと。その前の自民党の環境・温暖化対策調査会では何と30%を提言していた。30%の理由は、野心的な削減目標を掲げないと国際的な地位を損なうからという見栄から出たものだった。取りあえず絶対達成出来ない30%などという目標などにしなくてよかったと思う。それにしても温室効果ガスに対する日本の目標設定は、何故いつも失敗するのだろうか。不思議だ。そもそも1997年の京都議定書から躓いだ。1990年基準で削減することになったが、日本は基準年以前に省エネを極めていて、それ以降は乾いた雑巾を絞るような状況だった。一方欧州は基準年以降省エネに取り組み始めたばかり。欧州は1997年のスタート時には既に目標を達成する間近にあったのだ。日本の6%削減宣言は無知から出たとしか言いようがない。その後鳩山由紀夫は、かっこをつけて2020年までに1990年比25%と国際社会に約束した。出来もしない約束に日本中が唖然としたことを思いだす。更に菅直人はダボス会議で、全く検討もしていない絵空事であるソーラーパネルの1000万戸設置計画を発表した。会場からは失笑が漏れたという。温室効果ガスの削減に関して、日本は実質的に技術的にも実績もトップランナーであるのに、目標設定についてはいつも躓いている。その原因は無知と見栄。歴史的には無知の次に見栄が3回も続いている。無知の復活と4回目の見栄が現れないことを願うばかりだ。
地方統一選たけなわだ。優れた人物が選ばれれば良いが、現役にも相当酷い奴もいるようだ。秋田市長は公務である地域振興イベントを欠席して、市幹部を引き連れ後援会主催のゴルフ大会に参加した。記者に問われて「ゴルフを遊びと思っているの?歴とした政治活動だ」と宣ったとのこと。自費で自分の後援会に参加しておいて公務とでも思っているのだろうか。宮城では大衡村の村長が、女性職員にレイプまがいの暴行をした。女性に自分を「殿」と呼べと迫ったというから精神異常者なのかもしれない。村議会から不信任を突き付けられ議会解散後に辞表を提出。退職金1100万円はちゃっかり受け取り、再出馬はなし。だがこれで終わるはずがない。冷たい牢屋が待ち構えているかもしれない。維新の党の女性衆院議員は国会を休んで、ヤクザまがいの秘書と宮津に不倫旅行。橋下市長に叱責され党から除名処分を受けた。記者の質問に対し
「エモーショナルな感じで処分されたことは残念」と宣った。エモーショナルとは感情的なさまを言う。エモーショナルな行動がエモーショナルな感じで処分されたのだろう。既に「エモーショナル」が今年の流行語大賞にノミネートされるかもと噂になっているとか。市町村長や議員の劣化は目に余るものがある。でも選んだのは有権者たち。問題は選挙の時に候補者を選ぶ判断材料がないことだ。選挙公報もあるし街宣車での連呼もある。しかしそれだけではその人物の思想や人柄は分からない。情報公開を進めるための新しい仕組みが必要だと思う。
理化学研究所の野依理事長が退任し、後任に松本紘前京都大学総長が就任した。野依は12年間理事長を務めた。その間は予算が減り続け20%に当たる200億円も減少した。研究不正を防ぐことも後始末も出来なかった。しかも予算について理事長の裁量権は殆んど無かったというから、単にお飾りで御輿に乗っていたに過ぎなかったことが証明されてしまった。その後任は如何なる人物なのか興味深い。日経によると、松本は京大で改革手腕を発揮して世界のリーダーを育成する道を切り拓いた実績があるとのこと。理研の現状を見据え、抱負を語っている。研究不正で損ねた信頼を回復させることは当然だが、理研の総力を生かすため各センターの独自性を保ちながら横串を通す工夫をしたいと言う。更には若手を伸ばす新制度作りに取り組むこと。限られている産学連携企業を広げ産業界に研究協力を訴える為組織を改編すること。成果主義に偏っている研究者たちには、如何に社会貢献するかどのような社会に変えていくのかビジョンを明確にしていくこと。等々改革内容も方向性も明確かつ具体的だ。御輿の行方を決める担ぐ人にも見える。何故か改革が成功するような予感がする。この感じ方は、サッカーのハリル監督の登場時と似ている。サッカーも科学研究もプレイヤーが伸び伸びと実力を発揮出来る状況を提供し、世界トップレベルの戦いに参戦してほしいものだと思う。
シャ乱Qのつんく♂が、大学の入学式に出席し「一番大事にしてきた声を捨て生きる道を選びました」と告白したニュースには正直言って驚いた。喉頭ガンのため声帯摘出手術を受け、声を失ったとのこと。ひと昔前はガンといえば死の宣告を受けたような一大事であったが、今では治る確率も高くなっている。事実自分の周りにも、ガンと診断されたり摘出手術を受けたりして、元気に暮らしている人が何人もいる。しかし、つんく♂の場合事は重大だ。歌手は声が命。想像を絶する決断だったと思う。しかも、声を失った後に公の場に顔を出し、告白し、更には新入生たちを元気付けた。誰にでも出来るような行為ではない。人間の大きさは、普段は分からない。しかし厳しい逆境に置かれた時、その大きさが見えてくるものだ。そして、新しいつんく♂として頑張るので宜しくと、極めて前向きだ。つんく♂は人間として大物であることは間違いない。今までは、大して気に掛けた歌手ではなかったが、これからはつんく♂の活動を陰乍ら応援しようと思う。
特急列車が発煙事故を起こし青函トンネルの中で緊急停車したため、乗客は暗闇のトンネルの中を1kmも歩き脱出したとのこと。原因は過電流によるモーター配線の焼損。海面下140mの所で列車から降ろされた乗客120人は5時間以上かけて地上に出たという。生きた心地がしなかったに違いない。全員無事に救出されたことは何よりも幸いであった。列車が緊急停止した場所が旧竜飛海底駅から1kmだったのが不幸中の幸いだったようだ。もしもう少し青森側に進んでいれば10km近く歩かなければならなかったので救出は困難を極めたことだろう。それにしてもJR北海道は事故が多い。直接的な原因は、経営の拙さと強過ぎる労働組合が、相乗効果で安全の確保を妨げているからだろう。JR北海道の全員が一致団結して心を入れ替えて安全確保に努めるしか道はない。だが根本的な原因は他にある。中曽根時代の国鉄分割民営化で、国鉄を単純に地図通りに北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州の6つに分けてしまった事だ。経済的な配慮が全くなされていない。北海道は乗客が少ない割に豪雪地帯だから保全費用が高くつく。東日本や東海に較べ経営が苦しくなるのは当たり前だ。元々経営が成り立たないのに、自助努力をしないJR北海道に自助努力で経営再建をと、ほったらかしにしていた国にも責任がある。もうすぐ北海道新幹線も開通する。この際、JR北海道とJR東日本を統合するべきだと思う。東日本の財力で北海道を開拓すれば、両社にハッピーな結果が齎されるに違いない。
偶には俗っぽい話も書いてみようと思う。マンション管理士の資格を取ったものの自主的に開店休業状態で、とんとマンションにはご縁が無いが、マンションという活字を見ると目が留まる。今日はマンションと成金趣味の話。今引っ張りダコのタレント有吉が、超高級マンションの住民から、部屋着姿でうろつくのは如何なものかとクレームを付けられたとのニュース。超高級マンションでは、ゴミだしの時も化粧をして着飾り、激安スーパーで買い物をしても高級品の店の袋に入れ替えて帰宅することもあるという。自動車は高級外車ばかりで、お隣をマセラッティさんと呼ぶほどだから国産車では引け目を感じるようだ。有吉は猿岩石のブレーク後、大転落したので質素を旨とする庶民派と言われている。その庶民派が超高級マンションに住むこと自体がミスマッチ。何故超高級マンションなのだろかと理解に苦しんでしまう。一方日テレの上重アナは有力スポンサーから2億円近い大金を無利子で借りて超高級マンションの最上階の部屋を購入した。それだけではなく、2千万円は下らない高級外車ベントレーを無償で借りて乗り回しているという。日テレのコンプライアンス憲章では、スポンサーから過剰な贈答や接待は受けないと宣言されている。つまり明らかに社員の就業規則に反しているのだ。編成局長はコンプライアンス違反だと激怒しているというが、上層部は上重が可愛い余り断を下せない。昨日敢えて上重が司会者となるスッキリとかいう番組を見たが虫酸が走った。上重の反省の無さと成金趣味のいやらしさ、当たらず障らずの共演者たち、降板を決断出来ない上層部の不甲斐なさ。マンションは魔物だ。そして成金趣味は魔王なのかもしれない。
NHK番組「クローズアップ現代」は、現代の問題点を的確に捉え掘り下げも深く良質な番組だと思っていた。比較的よく見る番組で、当然内容は事実に基づくものと信じていた。だが昨年放送された「出家詐欺」は、ヤラセ報道だと問題になっている。自分は感心しながら見ていたので内容をよく覚えている。もうこれ以上借金が出来ない多重債務者が、出家の手続をして改名すると、別人になりすまして更なる借金が出来る。そして出家の紹介者は更なる借金を得た多重債務者から報酬を得るという内容だった。世の中には悪い事を考え付く者がいるものだ、お寺も落ちたものだと思った記憶がある。ところが、放映された多重債務者と紹介者は実在の人物ではなく、NHK記者が演技指導までしたヤラセだったとのこと。役者は再現映像の撮影だと思っていたが、実写として放映され被害を被っているようだ。しかも放映後に記者に抗議をしたところ口止め料の支払いを提案されたとか。役者は放送倫理・番組向上機構であるBPOへの人権侵害の救済申し立てを検討中とのこと。籾井NHK会長は矢面に立たされている。BPOの出番であるし、経営陣の責任でもある。だが最良の方法は「クローズアップ現代」で、真実版を特集することだ。記者は何をしたのか、番組責任者はどう関与したのか、経営陣はどのように対処したのか、再発防止のためどのような対策を取ったのかの真実版だ。ただ真実版が更なるヤラセにならないことは、祈るしかないようだ。
日本スポーツ界では競技の種類により、巻き返し方も違うようだ。シンクロナイズドスイミングでは鬼の井村コーチが復活した。練習はハードだ。15日間の合宿で、1日10時間以上の練習を熟し、たった1日の休日も選手たちは自主練習に充てたようだ。結果として、代表12人のうち2人が体力的理由で代表を辞退し、残りの10人で戦う羽目になったとのこと。一方、陸上競技のマラソンでは、日本実業団陸上連合が日本新記録を樹立した選手に1億円、指導者やチームに5千万円のボーナスを支給する制度の導入を発表した。まさに馬に人参ではあるが、その裏には指導者の力量不足があるとみるべきだ。日本のマラソン指導者は昔ながらの根性論の域から抜け出せず、近代高速マラソンに対する指導力がないのが現状だ。金の使い道が間違っている。指導者の育成や指導環境に金を使うべきだと思う。あちらが立てば、こちらが立たずというところのようだ。その点サッカーは見込みが有りそうだ。ハリル監督は若手にもチャンスを与え、ポジション争いを促し、全選手のモチベーションを上げている。監督と選手のベクトルが合っている。ベクトルは方向性を持った力だから、監督の力と選手の力の足し算になる。増々強くなること請け合いだ。いずれのスポーツも、そのうち結果が付いてくることになる。
昨日のJALチャレンジカップの対ウズベキスタン戦を観て、久し振りにA代表の試合が面白と思った。ここ数年A代表はメンバーが固定されているし、嘗てのシャープさも影を潜めていた。ところがハリル監督第2戦目の対ウズベキスタン戦では、選手たちが見違えるほどシャープな動きをしていた。ハリルの言った言葉で印象に残ったのは「何よりも勝つことが最優先。選んだ選手を全員試合に出す。1m以上離れていたらプレスとは言えない」。戦術やテクニックも大事ではあるが、それは勝つための手段だ。手段ばかりに目が行っていたのでは、勝つための闘争本能が目覚めない。極めて単純ではあるが「何よりも勝つことが最優先」という言葉はサムライブルーにとっては金言と言えるだろう。新顔も含めたポジション争いも始まった。更に厳しいプレスも出来るようになり、選手全員のアグレッシブさが増した。試合に躍動感が出てきてチーム全体がパワーアップした。観ていて面白くないはずがない。更にオマケもあった。キーパーの頭を越える柴崎のロングシュートを、岡崎は触れれば1点獲得出来るのに、触れずに寧ろ相手ディフェンダーをブロックして、柴崎の得点にしてあげた。ハリルは外国では考えられない行為で素晴らしいと褒めた。岡崎自身は、ドイツだったら間違いなく自分の得点にしていたと言い、チームメイトのモチベーションアップを期待したとのこと。順調な門出だ。今後のサムライブルーの活躍を期待したい。