やくざの脅しと、その続編

自民党の党情報通信戦略調査会が異例にテレビ朝日とNHK幹部を呼び、報道番組の内容について事情を聴取した。対象はテレ朝の古賀爆弾発言とNHKクローズアップ現代のヤラセ。ヤラセは単なる一記者か、またはNHKぐるみの詐欺まがいだから呼ぶ必要もなかった。的は古賀発言。古舘が仕切る「報道ステーション」のコメンテイター古賀が、政府の圧力による降板に抗議して「菅官房長官からの圧力だ」と台本を外れて発言したことから事件は始まった。その伏線には、イスラム襲撃事件ので仏の「私はシャルリー」をもじり、安倍発言により人質が殺害されたことに反発した「I am not ABE」発言があった。これに官邸が激怒。だが国民はその古賀発言をそれ程間違ってはいないと思っているはずだ。批判された菅官房長官は「放送法に則り中立に報道しろ」と要請した。だがこの要請は、やくざの世界から見れば威嚇に等しい。何を中立と言うかは分からないが、中立でなければ放送権を剥奪するということだ。だからテレ朝幹部は真っ青になる。これだけで終われば、やくざの脅しで終わったのだが、続編があった。自民党の菅の子分がテレ朝を呼びつけダメ出しを出した。調査会会長の川崎二郎元厚生労働相は、テレ朝専務に「菅さんにお詫びはしたのか」と切り出した。まるで菅ストーリーが全て正しかったとでもの前提で、後は子分が始末をつけるという塩梅だ。しかも、オマケがついている。テレ朝専務は平謝りして、その他報道局は何の反応もなく静かにパス。ひょっとすると、2015年4月は日本に恐怖政治が始まり、マスコミが死んだ日として記念される日になるかもしれない。凄く残念。