政府は6月のサミットに向けて、温室効果ガスの排出削減目標を2030年までに20%程度減らす案を軸に検討に入ったとのこと。その前の自民党の環境・温暖化対策調査会では何と30%を提言していた。30%の理由は、野心的な削減目標を掲げないと国際的な地位を損なうからという見栄から出たものだった。取りあえず絶対達成出来ない30%などという目標などにしなくてよかったと思う。それにしても温室効果ガスに対する日本の目標設定は、何故いつも失敗するのだろうか。不思議だ。そもそも1997年の京都議定書から躓いだ。1990年基準で削減することになったが、日本は基準年以前に省エネを極めていて、それ以降は乾いた雑巾を絞るような状況だった。一方欧州は基準年以降省エネに取り組み始めたばかり。欧州は1997年のスタート時には既に目標を達成する間近にあったのだ。日本の6%削減宣言は無知から出たとしか言いようがない。その後鳩山由紀夫は、かっこをつけて2020年までに1990年比25%と国際社会に約束した。出来もしない約束に日本中が唖然としたことを思いだす。更に菅直人はダボス会議で、全く検討もしていない絵空事であるソーラーパネルの1000万戸設置計画を発表した。会場からは失笑が漏れたという。温室効果ガスの削減に関して、日本は実質的に技術的にも実績もトップランナーであるのに、目標設定についてはいつも躓いている。その原因は無知と見栄。歴史的には無知の次に見栄が3回も続いている。無知の復活と4回目の見栄が現れないことを願うばかりだ。
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