NHKの再現ドラマ「危険なささやき」が放送された。旧統一教会が行なった信者の勧誘や慈善活動を装った訪問販売などの手口を、元信者の女性が教団に勝訴した裁判資料に基づいて再現されたドラマだ。当初の題は「悪魔のささやき」だったが、事前に旧統一教会が放送中止と謝罪を求めて抗議した結果「危険なささやき」に変更された経緯がある。教団の問題に詳しいジャーナリストは「番組は裁判資料からファクトを拾い、教団側が放送中止を求めるような内容ではない。旧統一教会の解散命令が取り沙汰されてから教団の抗議活動が激しくなっており、メディアへ取り上げぬよう圧力を掛ける狙いだろう」とコメントしている。ジャーナリストの江川紹子氏も「裁判で明らかになった事実で構成され、人々の注意喚起を促す良番組」と評価し、更に「事実を誹謗中傷と言い募り、批判を侮辱と言い換え、不都合な番組を中止させようとする教団の対応からは過去への反省がまるで感じられない」と教団の姿勢を批判している。NHKは折角良い番組を制作しながら、旧統一教会如きの抗議に腰を引き、番組名を変更するとは、情けない限りだ。NHKの何処に公共放送としての信念があるのだろうか。
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