ブリンケン訪中の成果

ブリンケン米国務長官が訪中した。当初習近平との会談が出来るかは分からなかった。訪中の目的は米中首脳会談の実現のための地均しだろう。バイデンには米国内で米中首脳会談を実現し、再選に弾みをつける狙いがある。一方習近平には世界のステーツマンであることを誇示したい思いがある。さてブリンケンの訪中は成功したのだろうか。ブリンケンは最初に秦剛外相と会談した。最初の面接にパスしたのだろう。次は王毅国務委員と会った。この面接もクリヤーし、最後に習近平と会うことが出来た。しかし習近平との会談ではなかった。習近平が得々と独演会を始めた。時間はたったの30分。まるで謁見する皇帝様と、かしずく外国使節の構図だった。習近平は「世界は発展し、時代は変化している。世界には、総体的に安定した中米関係が必要だ。中米両国の成否がそのまま、人類の運命の前途に関わってくるのだ。両国の関係が上手くいかないのは米国が悪いからだ。だから米国が改めろ」と諭した。それに対しブリンケンは数分で「米国は新冷戦を求めず、中国の制度改変を求めず、台湾独立を支持せず、中国との衝突が発生することを望まない」と答えたという。米中首脳会談の実現のためとはいえ、ブリンケンは余りにも弱腰過ぎた。この弱腰は米国内のトランプ派を勢いづかせることになる。バイデンの再選を妨げることになるはずだ。