IOCもCASも間違っている

ロシアの15歳ワリエナ選手のドーピング疑惑が浮上したが、五輪出場が認められた。事の経緯はこうだ。昨年12月に採取されたワリエワ選手の検体から禁止薬物トリメタジジンが検出された。ロシア反ドーピング機関は今月8日、同選手に暫定資格停止処分を科した。その後、本人側の異議申し立てを受け、翌9日に処分を解除。この決定を不服として、IOCがスポーツ仲裁裁判所CASに訴えた。CASは16歳以下の要保護者であることを理由に、陽性反応が出た選手の出場を認めた。理解に苦しむ点が2つある。1つは、IOCがCASに訴えたこと。通常の流れであれば、IOCがワリエナ選手の出場禁止処分を出し、それを不服とする選手側がCASに申し立てるものだ。何故IOCがCASに訴えたのだろうか。深読みする必要がありそうだ。もう1つは、CASが出場を認めたこと。陽性反応が出た選手を出場停止にするのが鉄則だ。16歳以下だから例外とするのは間違いだ。これでは、16歳以下であれば、何をやっても良いということになる。CASがスポーツの健全性を破壊しているように見える。