アプリ開発の無駄遣い

朝日新聞が平井デジタル相の「死んでもNECに発注しない。ぐちぐち言ったら完全に干す」発言をスクープした。平井は即座に釈明した。大臣がすぐに釈明するのは珍しい。何のことは無い。朝日新聞が音声データまで公開したからだ。このスクープでIT業界の陰があぶり出されている。平井が激怒した理由は色々ある。和泉首相補佐官が発注した73億円の海外観客用オリパラアプリの存在を知らなかったこと。海外観客が無くなり無用の長物となり38億円に減額したが、NECの顔認証アプリの開発は既に終わっていた。実は73億円のうちNECの取り分は5億円で、オリパラアプリ終了後もNECに金が落ちるように配慮したのにぐちぐち言ったから。NECは昨年厚労省が発注したワクチン接種円滑化システムを随意契約の20億円で受注したが出来が悪く、ワクチン配布が大混乱したこと。顔認証アプリの開発にNECを外し平井の親密企業の参入を指示したこと。平井の激怒の対象外であるNTTコムにも問題がある。NTTコムの取り分は46億円だったが、仕事の大半を再委託先に投げた中抜きだった。和泉首相補佐官のいい加減さも責められるべきだろう。結局、政府はITと名が付けば湯水のように無駄金を使っているという事実が明らかになった。