伝統を守るか質を高めるか

ウィンブルドン大会男子シングルスはジョコビッチの優勝で幕を閉じた。準決勝の対ナダル戦は、共に死力を尽くした見応えのある内容だった。一時低迷していたジョコビッチが復活した。でも残念なのは決勝の内容だ。対戦相手はフェデラーを破って勝ち上がってきたアンダーソン。アンダーソンは準決勝の対イズナー戦で死闘を演じた。7-6(8-6)、6-7(5-7)、6-7(9-11)、6-4、26-24のフルセットの末決勝進出を果たした。第1,2,3セットはタイブレークとなる大接戦。第5セットは何とゲームカウント26-24。ウィンブルドンの最終セットはタイブレークが採用されず、2ゲーム差がつくまで試合が行われるから延々と続いた。結局この試合は6時間36分もかかった。疲労困憊のアンダーソンは翌朝身体が痛くて目を覚ましたとのこと。そしてジョコビッチとの決勝戦に臨んだ。試合は終始ジョコビッチが圧倒し3-0で勝った。でもウィンブルドンの男子S決勝としては質の劣る内容だった。全米オープンでは既に、最終セットにもタイブレークが導入されている。ウィンブルドンの最終セットにタイブレークを導入する可否は、伝統を守るのか質を高めるのかが分かれ目になる。自分は質の高さを求めてほしいものだと思うのだが。