偽の詰め将棋

藤井聡太棋士には驚かされることばかりだ。最年少記録で晴れて四段になったと思ったら、C級1組への昇級を決め五段に昇ぼり、更に朝日杯で優勝し六段に昇段した。今度の竜王戦の準決勝戦に勝てばトントン拍子で七段に昇段することになる。エンジェルスの大谷選手と同様に、その活躍の凄さは驚きの領域を通り越している。この若い二人が如何に日本を活気づけるか底知れないものを感じる。でも、これほど活躍すると、必ず便乗する者が現れるのは世の習わし。所謂有名税だ。残念なことに聡太棋士の色紙の偽物が現れた。聡太棋士は詰め将棋が得意。解く方も得意だが創る方も得意。四段の時に創作した詰め将棋を色紙に書き知人にプレゼントした。知人はそれをネットに掲載。それを模写して偽物を作った人がネットで販売し、逮捕されたとのこと。警察が聡太棋士に問い合わせると、偽物だし、持ち駒も間違っているとコメント。本物の持ち駒は香が4つなのに、偽物は3つ。詰まない。偽物を創るには幼稚過ぎる。そこで偽物を創作しネットに上げた人物像を推考してみた。形さえ似ていれば誰でも誤魔化すことが出来るとでも思っていたのだろう。恐らく、将棋のレベルでは小学生以下の実力に違いない。でも、見方を変えると全く違う。香3つで詰むはずがないと理解していた将棋通の犯人が「この冗談を理解出来るか」と仕組んだ罠にも見える。買った方がおちょくられているのかもしれない。細やかな事件ではあるが、自分は後者であってほしいと思うのだが。