国を挙げてヒアリ対策を

南米原産で強い毒を持つ「ヒアリ」が神戸、名古屋、大阪、東京の港で相次ぎ見つかっている。「ヒアリ」は漢字で火蟻、英語でfire ant。名前の通り、刺されると火傷のような激しい痛みだけでなくアナフィラキシーショックを起こし死亡する場合もあるという。まさに殺人アリだ。多種多様な作物を食い荒らし、野生動物や家畜にも襲い掛かるというからならず者でもある。ヒアリは米国やマレーシア、台湾など10カ国以上に拡大している。侵入を食い止めることは難しいが、ニュージーランドでは駆逐に成功したとのこと。初期対応が物を言う。国を挙げての対策が必要だ。働きアリは放置しておけばやがて死ぬ。だが女王アリの繁殖力は極めて強い。1日最大2000~3000個の卵を毎日産み続けるとのこと。既に国内で女王アリが3匹見つかっている。女王アリを見つける技術を早急に開発してほしいものだ。ヒアリに似た外来種の侵入事例として、オーストラリア原産で毒を持つセアカゴケグモがある。20年ほど前に大阪で国内初確認されたが、今では全国に広がってしまった。セアカゴケグモの二の舞いを踏まぬことを願いたい。