ブラフ対ブラフの戦い

北朝鮮が米国の独立記念日である今日に、大陸間弾道ミサイルICBMの発射に成功したと発表した。トランプ政権はICBMの発射がレッドラインの一つだと言っていた。だから、当分の間北朝鮮はICBMを発射することは無いと思われていた。ところが、実際に発射された。これで米国のアラスカまでは届くことになる。米国への脅威は現実的なものになった。しかも独立記念日に。だが、トランプ政権がすぐに軍事行動に出る気配は無い。北朝鮮が米国の圧力がブラフであると見透かした結果と言える。何をしでかすか予測不能と思われていたトランプが、既に予測可能なトランプに落ちてしまった象徴的な出来事だと言えそうだ。今までのトランプの言動を辿ると見えてくるものがある。トランプは商売人だ。高圧的な交渉に長けている。言圧で相手をねじ伏せる。でも反対されると主張には拘らない。主張が通らなければあの手この手と別の手を使ってくる。何事も交渉次第という性格と見える。交渉相手が強くNOと主張すれば、トランプは交渉のハードルを順次下げていく。今後、米国の北朝鮮に対するレッドカードは益々内容の無いものになっていき、手の打ちようが無くなるに違いない。ブラフ政治は賞味期限付きの食べ物のようなもの。賞味期限が過ぎれば、何の役にも立たない。米国対北朝鮮の戦いは、ブラフ対ブラフの戦いとも言える。北朝鮮のブラフも、そのうち賞味期限を迎えることになるはずだ。