風で感じたこと

若い頃は、兎に角牛肉が好きだった。肉と言えば牛肉を指していた。今思うと多分、憧れから来たものだと思う。子供の頃は、牛肉といえばスキ焼き。年に1度か2度のご馳走だった。しかも、鍋を仕切るのは父と決まっていた。父はその鍋以外の料理は全くしないのだが。家族全員で正座しながら鍋を囲んだものだ。だが、年を取ると好みも変る。自分は60歳を過ぎてから、牛肉よりも豚や鳥を好むようになった。何となく、より健康的な食材に思えたからかもしれない。肉と言えば豚、鳥の生活をしているのに、どういう訳か、連続して牛肉を食べることになった。先日の花見の帰りの昼時に偶々焼き肉屋に立ち寄った。場所は辺鄙だ。いつ潰れそうか分からない感じの安い店。客は殆どいないと思ってドアを開けた。ところが、驚いたことに盛況だ。後から後から客が入ってくる。周りを見渡すと、何と年寄りばかりだ。自分は70歳だから若くはないが、それ以上の人生の先輩が沢山いるのだ。最近、自分はロカボに励んでいて、炭水化物は少量にしてタンパク質を少し増やしている。きっと人生の先輩たちもロカボに徹しているのだと勝手に推測しパワーも感じた。なんとなく嬉しく思った。そして、続いて昨日のこと、牛肉専門のハンバーグ・ステーキの店に入ることになった。同じく昼時ではあったが、客は自分以外は全て女性。驚いた。最近の女性は肉食系なのだと思いしらされた。パワーは牛肉に宿るのかもしれない。いろんな意味で強くなる訳を、改めて風で感じた次第。