リオ五輪が始まる前の明暗

いよいよリオ五輪の開幕が迫ってきた。サッカーの対ナイジェリア戦は開会式の前に行われることになっている。ところが、未だにナイジェリアチームは現地に姿を見せない。アトランタからの航空運賃が払い込めず足止めを喰らっているとか。今の予定では試合開始の7時間前に到着するというから驚きだ。ナイジェリアの戦術という見方もあるが、それは考え過ぎだろう。サムライブルーにとってはラッキーに違いない。テニスの錦織選手はバブリンカが負傷欠場したため第4シードに繰り上がった。準決勝までは上位選手と当たらないので、これもラッキーだ。陸上では男子3千m障害に順大2年生の塩尻選手が急遽出場することになった。他国に出場辞退者が出たため、自己ベストの比較で持ちタイムの速い塩尻選手が繰り上がった。五輪参加標準記録を突破出来ず、既に秋のロードレースに気持ちを切り替えていた本人にとっては、まさに棚から牡丹餅の心境に違いない。開幕前にラッキーが続き、好成績が期待出来るムードでもある。だが、これらは全て他力本願型。一方サッカーでは、主力のFW久保選手の欠場が決まった。久保選手は4年前の高校生の時にザッケローニからA代表に抜擢されて、リオ世代の海外組1号として19歳で海を渡った。アジア最終予選も唯一、全6試合に出場してチーム最多3得点。代えの利かないエースだ。ところが、所属しているスイス1部ヤングボーイズがリオ派遣を拒否。ヤングボーイズは欧州CL予選を優先させるため、久保の派遣拒否を一方的にサイトで表明したとのこと。相手の事情も分かるが、日本サッカー協会は一体何を考えていたのかと思う。代えの利かない選手だからこそ、絶対確実に出場出来るよう手を打っておくのが常識だ。手倉森監督を含め協会は、自ら出来る努力を怠った。五輪のマネージメントは既に綻びかけているようだ。残念。