政治言葉遊び

突如永田町に解散風が吹き始めた。安倍首相の「私自身が解散に言及したことは一度もない」との発言は、政治言葉として「解散を決めた」と聞こえる。自民の茂木選対委員長から選挙準備の号令がかかったので解散は本決まりなのだろう。来週にも衆院を解散し、年内の総選挙に踏み切る調整に入ったようだ。ところが何の為の解散か、与党も野党も勿論国民も良く分かっていないのが現状だ。要するに解散の大義がないのだ。新閣僚の疑惑による政権求心力低下の解消とか、野党再編が進まないうちに自民有利で戦うためとか、消費増税先送りに対し民意を問うとか、言い訳は色々あるが大義ではない。大義があるとすれば、当初の計画通り消費増税をするので民意を問うというケースだけだ。アベノミクスの成長戦略が未だに姿を見せず経済が落ち込み始めている時に、増税すれば経済は冷え込みアベノミクスをがけ下に突き落とすだけ。従ってこのケースは考えられない。多分無理やり「消費増税先送り」を総選挙の争点にするのだろうが、政治言葉で言えば「安倍政権の求心力回復」ということだろう。民主の海江田代表は、寝耳に水の解散話に「解散を出来るものならやってみろ、受けて立つ」とコメントしたが、政治言葉に言い換えると「ウッソー、ホント、ダメダメ今はダメ、準備ゼロだもん」という訳になるはずだ。