京都の青モミジ

五月の陽射しに透ける京都のモミジは綺麗だった。「青モミジ」という言葉を初めて知った。出町柳から叡山電車で八瀬に着き、叡山ケーブルとロープウェイを乗り継ぎ、比叡山根本中堂を経て坂本ケーブルで坂本に出た。この間、新緑に覆われた比叡の山は素晴らしかった。1年半前に湖東三山を経て京都の詩仙堂や曼殊院の真っ赤なモミジを堪能したが、今回は趣が全く異なり青モミジだ。真っ赤も良かったが、新緑も言う事なし。叡山ケーブルは日本一の高低差で、まるで崖みたいな28度の急こう配を這いつくばうように登って行った。そして下りの坂本ケーブルは日本一の長さを誇っているらしく琵琶湖が綺麗に見えた。叡山ケーブルは男坂で、坂本ケーブルは女坂なのかもしれない。こんなに山深い比叡の山を信長は一体どのように攻めたのだろうかとも空想した。坂本の滋賀院門跡の説明員の話によると、延暦寺という名の寺は存在しないとのこと。比叡山三塔十六谷を総称して延暦寺というようだ。こんなことも初めて知った。矢張り旅は心をリフレッシュする。