ヒマワリを植えよう

阪神・淡路大震災の復興のシンボル「はるかのヒマワリ」の種が東日本大震災の被災地に広がっている。ヒマワリを育てる中で、命の尊さや人のつながりの大切さを感じてもらいたいとの願いからだ。ところがそれだけではない。ヒマワリには原発事故対策に特異的な能力があるらしい。チェルノブイリ原発事故後、旧ソ連出身の植物学者らはヒマワリが放射能を抜群に吸収することを発見した。30年以上かかる土壌の放射性物質の除去を、わずか20日で95%以上除去したという記録が残っている。根は半減期30年のセシウム137を、花はストロンチウム90を吸収。これを信じて原発30キロ圏内をヒマワリで植え尽くしてみてはどうだろうか。放射能被災者にとっては、早期の帰宅が叶うかもしれないし、はるかのヒマワリによる効果も得られるかもしれない。植物が根から水分や養分を吸収する能力を利用して、土壌や地下水中の汚染物質を吸収分解する技術のことをファイトレメディエーションというらしい。すでに被災地では水田の塩害対策のためトウモロコシが植えられ始めた。通常の塩害対策は、水田に石灰を撒き、水を入れるという作業を何度も繰り返す。作業期間に10年、排水ポンプなどの機材に高額な資金が必要となる。現実的な作業ではない。南アフリカ原産の食用植物アイスプラントも脱塩効果があるらしい。これを塩害地域で栽培すれば塩害除去と収穫の一石二鳥、研究する価値はあるだろう。