カテゴリ:202303



31日 3月 2023
公正取引委員会が大手電力会社の独占禁止法違反の疑いで、1千億円以上の課徴金の支払いを命じた。違反行為は関西電力が中心となり、互いの営業エリアに浸食しないようカルテルを結んだ。でも、課徴金は、中国電が707億円超、中部電が275億円超、九電が27億円超だが、関電はゼロ。顧客獲得に制限をかける取り組みは、関電と中部電、関電と九電、関電と中国電…と、すべて関電が主導したカルテルだった。更に、関電は、送配電会社の情報をのぞき見し、4千件以上の顧客を新電力事業参入会社から関電に引き戻す営業をかけていたことが発覚した。完全に電力自由化を骨抜きにする行為をしたのだ。公正取引委員会には、カルテルや談合について課徴金減免制度がある。最初に自ら申告した場合は全額免除。減免率100%、1銭も払わなくていいというルールだ。これが適用されて関電の課徴金はゼロとなったが、一番厳しく罰せられるべきは関電だ。恐らくカルテルがバレたことに気付き、課徴金を免れるために公取委に駆け込んだのだろう。これで済むのはおかしい。中部電、中国電、九電は課徴金の半分を関電に請求する訴訟を起すべきだと思う。
30日 3月 2023
いまチャットGPTが脚光を浴びている。だが、一方で多くのAI専門家と企業のリーダーが、AI開発の一時停止を求める書簡を出した。強力なテクノロジーによる実存的リスクの低減に取り組む非営利団体Future of Life...
29日 3月 2023
食物史の専門家であるアルベルト・グランディ・パルマ大教授が「捏造された原産地」という本を出した。今まで古典的なイタリア料理だと思っていたティラミス、カルボナーラ、ピッツァは歴史が浅く、他国文化の影響を受けて誕生したものだと研究成果を発表し、大論争が巻き起こっているという。カルボナーラは、ローマのパスタファミリーに位置づけられ、アレンジが禁止されている。しかし、カルボナーラは第二次世界大戦の敗戦を契機に、米国人のためにイタリアの料理人が作ったのが最初と言われている。ピッツァもイタリア料理の代表として認知されたのは戦後になってからだという。ピッツァだけを出す本格的なレストランは、1911年に米ニューヨークでオープンしたのが最初。1943年、イタリアにやってきたイタリア系米国人の兵士は、ピッツァ専門店がイタリアに全然見つからないと手紙に書いたという。元を辿るとカルボナーラとピッツァはアメリカ料理と言えるかもしれない。でも、起源は他国かもしれないが、現在はれっきとしたイタリア料理の不動の位置を占めている。韓国では「キムチの起源は中国」説に猛反対している。生みの親か育ての親かの論争と似ている。両者とも親と認めるべきものだと思うのだが。
28日 3月 2023
医療情報評価の世界的権威であるコクランが今年1月末に「マスク着用の有無で、インフルエンザやコロナにかかる人の数にはほとんど差がない」とする論文を発表した。コクランは根拠に基づく医療を掲げ、急速に発展する治療や予防に対して、その内容を査定する活動を行っている。コクラン・レビューは、エビデンス界の世界最高権威とされ、これまで世界の医学界の教科書として専門家たちから重要視されてきた。この3年間さんざん珍重されてきたマスクに意味がなかったという内容が掲載されたので、今、世界的に大きな物議を醸している。このレビューを執筆したジェファーソン博士は、過去をこう回想している。2020年にマスクに効果は無い旨の論文を発表しようとしたがコクランから妨害を受けた。そしてコクランはマスクに感染予防効果が有ると発表してきた。そしてマスクは政治家の見える政策になった。しかし、3年が経過してマスクに有用性は無いことが判明してしまったので、コクランはマスク不要論への翻ったのだ、と。これが正しければ、コクランはエビデンス界の世界最低権威と言える。玉石混淆のエビデンスを操る魔術師とも言えそうだ。本当のところ、マスクに効果は有るのだろうか。
27日 3月 2023
中国当局が漫画やアニメなどの海賊版サイトの強制捜査を行いサイトを閉鎖したとのこと。日本側の要請で中国の海賊版サイトについて本格的な捜査が行なわれたのは初めてだ。このサイトのアクセス数は2年間で3億件を超え、1億円を稼いでいた。東宝やNHKなど映像大手6社とコンテンツ海外流通促進機構CODAなどが中国に対応を求めていた。今回はCODAの拠点が中国にあることから、現地当局に被害を直接訴え出ることが出来たようだ。サイト運営者は通常、海外のウェブサービスなどで身元を隠しているので特定が難しい。しかし、今回はホワイトハッカーの協力でサイトを解析し、情報入手に成功したとのこと。やっと中国も衣食足りて礼節を知り、真面な対応が取れるよう体質が変わったのかもしれない。でも、一方では帰国直前のアステラス製薬社員が国家安全当局に拘束された。刑法と反スパイ法に違反した疑いというが、どのような行為が法に触れるのかは曖昧だ。この曖昧さが不気味で、中国への入国をためらわざるを得なくなる。安定的な経済成長を目指す中国には、なお一層開かれた体質への改善が必要だ。
26日 3月 2023
アインシュタイン問題が解決か?の記事。アインシュタインの相対性理論から導かれる未知の素粒子でも発見されたのかと思った。ところが違う。数学の未解決問題が解決したとのニュースだった。英、加、米の研究グループが、繰り返しパターンを作らず、2次元の表面を無限に敷き詰めることができる単一のタイル形状を発見したと発表した。単一のタイルとは、ドイツ語で、単一はein、1枚のタイルはsteinだから、もじってeinstein問題と名付けられたという。非周期的なタイルの最初の集合は、1966年に発見された2万種類以上のタイルの組み合わせだった。その後、タイルの種類を減らす方向に研究が進んだ結果、1970年代にノーベル物理学賞を受賞した数理物理学者ロジャー・ペンローズが2種類のタイルで出来ることを発見した。ペンローズ・タイルと名付けられた。されば1枚でも可能ではないかと研究対象となったのがeinstein問題だ。そして今回、1種類のみで非周期的なタイルの集合を作り出せる図形を発見した。13個の辺を持つ多角形だ。動画を見ると面白い。
25日 3月 2023
岸田首相が電撃的にウクライナを訪問した。インドから急遽ウクライナ隣国のポーランドへ。そして電車でキーウに入った。でも、持参したのは殺傷能力のない装備品の支援と必勝と書かれたシャモジだったとのこと。そのシャモジが波紋を広げている。戦争中で緊迫した国の元首に対し相応しい贈り物なのかと。必勝シャモジは、岸田が選挙に勝ったとき地元後援会から贈られたことがある。恐らく岸田はそれを思い出してゼレンスキーの贈り物にしたのだろう。でも、対象が選挙と戦争では全く違う。岸田がお気楽だと批難されるのは当然といえる。必勝シャモジの起源はこうだ。日露戦争の時代、宮島は軍人たちの出征地の一つになっていた。軍人たちは出征前、宮島の厳島神社を訪れ、無事に帰ってくることを祈念し、お守り代わりとして、シャモジを奉納していたという。シャモジは飯をすくうもの。飯をとるもの。それが転じて「敵を召し捕る」となり、勝つための縁起物として世に知られるようになったとのこと。でも現在は「家内安全」「夫婦円満」などの祈念が多い。やはり岸田はお気楽だ。岸田には、長男の西欧お土産といい、ウクライナのシャモジといい、御難続きのお土産のようだ。
24日 3月 2023
米国のシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行が相次いで破綻した。欧米ではクレディ・スイスの経営危機が深まり、金融機関最大手UBSによる救済合併に発展している。クレディ・スイスは世界の金融システム上重要な金融機関に位置付けられており、破綻すれば影響はリーマン級となりかねないと危惧されてきただけに、国を挙げての救済で落ち着きを取り戻しているという。一方日本でも銀行破綻は避けられそうもない。黒田バズーカが終わり、金融引き締めで利上げが始まると、地銀等が抱える国債や有価証券に含み損が生じる。もはや地銀は半数が消滅してもおかしくないと言われている。1県1行体制の動きはすでに各地で起きている。しかも都道府県の半数は1行でも不採算になると見られている。また、年金積立金約200兆円を運用する年金積立金管理運用独立行政法人GPIFに巨額損失の懸念が浮上している。シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻で大損を喰らった可能性がある。GPIFは2022年4~12月の9カ月間で累計7.3兆円の赤字を出した。物価高騰が続く中、年金も先細りしようとしている。
23日 3月 2023
野党が高市大臣の罷免を求めたが、岸田首相は論理が飛躍過ぎると拒否した。相変らず、国会は放送法が定める「政治的公平の解釈」に関する行政文書問題で揉めている。でも、経緯はほぼ明らかになった。ニュースステーションとかクローズアップ現代などのテレビ番組が政府批判したのに対し、安倍が不公平だと激怒。これを受け磯崎元総理補佐官がテレビ局取締法を画策したが断念。そこで放送法の解釈変更に走った。そして当時の高市総務相が国会で新解釈を答弁した。要するに安倍、磯崎、高市は、放送法の解釈をねじ曲げ政府支配を進めた張本人なのだ。しかし、解釈変更は深刻だ。個々の番組で政治的に不公平が有る場合は業務停止命令が出せるようになった。つまり政府に沿わないテレビ局は潰せるということだ。でも、安倍らは放送法の政治的公平の意味をはき違えている。民主主義の根幹である言論の自由が脅かしている。メディアは、たえず政権に厳しい目を向け、問題点があれば、確たる情報に基づいて批判するべきで、それこそが政治的に公平な報道といえる。本来、公権力がテレビ番組に介入することがないよう保障しているのが放送法であり、放送倫理を業界が自主的に守るためのチェック機関としてBPOが存在している。従って、メディアは、些細な高市問題ではなく、放送法の政治的公平とは何なのかに焦点を当て、政治からの独立を目指すべきだと思うのだが。・・・マスコミには残念の言葉しか無い。
22日 3月 2023
人工知能AIを使って書いた小説が文学賞を受賞する時代になった。葦沢かもめ氏の「あなたはそこにいますか?」が第9回星新一賞優秀賞を受賞した。葦沢氏はチャットGPTを使って、3週間で100点の小説を書いて全ての作品を応募。受賞作は、本人が主体的に執筆し、一部チャットGPTの作った文章を挿入したとのこと。第9回星新一賞の締め切りは2021年9月。2年前だからチャットGPTの黎明期。チャットGPTを使いこなすには相当苦労したに違いない。星新一賞は2014年にスタートした。SF作家星新一らしく、当初からAI作品の応募を認めていた。チャットGPTはこの1年で急速に進化した。来年の星新一賞はチャットGPT一色になるまもしれない。まさに星新一ワールドの誕生だ。因みに、自分も星新一賞に応募したことがある。「サッカーボールのような星」と「Invisible World」の2作品。勿論、落選ではあったのだが。

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