パビリオン建設を邪魔する大屋根リング

今度は大阪万博の目玉の大屋根リングに、建設業界のトップからダメ出しが入った。「リング内側のパビリオンなどの建設は、これから着工するものも多く、今後すべてのリングがつながった際には、内側への重機や資材の搬入に制約が生じる」と。リングは高さ12メートル(外側20メートル)、直径約615メートル、1周約2キロに及ぶ。すでに6割強まで工事が進んでいる。一方、自前型パビリオン約60カ国のうちまだ5カ国しか着工できていない。着工に必要な詳細設計が完成しているのは半分以下。3分の1は設計にすらこぎつけていないのが現状だ。もうまるで神社の社殿が完成する前にテキ屋が並んじゃったようなもの。以前、このブログ「けしからん万博協会副会長」で、松本正義万博副会長が宮本洋一日本建設業連合会会長を批判したことを書いた。今度の宮本会長の「リングが邪魔」発言は松本への意趣返しかもしれない。いや、宮本会長は正常で、松本が異常と言える。因みに、リングに使う木材の量は2.4万立方メートルで、災害時の木造仮設住宅約4000戸分に匹敵するという。仮設住宅の供給が遅れている能登へ供給すれば、能登の大工も仕事が出来るし、能登経済復興の一助となるのだが。2億円トイレの次はリングだ。トホホとしか言い様がない。