2023年9月

言葉は世につれ世は言葉につれ

「歌は世につれ世は歌につれ」とは、ある時代によく歌われる歌は、その時代の世情を反映しているものだという意だが、言葉の意味も世につれ変化しているようだ。日経記事が目に留まった。文化庁の国語に関する世論調査で新しい意味が広がっていることが分かったという。例えば「涼しい顔をする」の本来の意味は「関係があるのに知らんぷりをする」だが「大変な状況でも平気そうにする」という意味で使う人が6割いる。「忸怩たる思い」は「恥じ入るような思い」だが「残念でもどかしい思い」が5割強。新しい表現の受け止めもある。「異様だと感じてあきれる」という意味で「引く」という言葉を使う人は7割。「気に入って応援している人や物」は「推し」で、「より良く見せようとする」は「盛る」という具合。アルファベットの略語では、AED(自動体外式除細動器)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の意味が分からず困った人が8割強だという。かく言う自分も言葉の意味に疎い。ブログの中で恥を晒すのではないかとハラハラしている。今様に言うと、涼しい顔して書いているが、内容には時々忸怩たるものがあり、引かれぬよう盛っている。

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クオータ制って

自民党が松川るい議員を副幹事長に起用する方針を報じた。松川議員といえば自民党女性局の局長としてフランスで研修を実施。でも、エッフェル塔前でポーズを取りながら笑顔を見せる写真をSNSにアップし批判を浴びた。だが、物見遊山の活動報告書は公表せず、女性局長を更迭されたばかりだ。一方で、自民党は杉田水脈議員を環境部会長代理に起用することを決定した。杉田議員といえば、お騒がせ議員でアイヌ民族を揶揄する投稿をし、札幌法務局から人権侵犯を認定されたばかりの輩だ。どうやら自民党では、ろくでもない女性政治家を出世させる仕組みがあるようだ。いや、副大臣でも女性がゼロだったように、真面な女性議員が皆無の為なのかもしれない。では何故自民党はあえてポンコツ女性議員を抜擢したのだろうか。裏にはクオータ制の縛りがありそうだ。クオータ制とは、人種や性別、宗教などの少数者の格差をなくすため、一定の比率で人数を割り当てる制度だ。日本の女性の国会議員の比率は先進国では最低水準にある。そのため、導入の是非が焦点になっている。ひょっとすると茂木幹事長は忸怩たる思いで選考したのかもしれない。結局、女性の地位を向上させるためのクオータ制を尊重したばかりに、反対に女性の地位を貶めているのが現状のようだ。

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したり声って

最近テレビ局アナウンサーのアクセント異常を多く感じる。NHKのアナウンサーでさえ、正常な日本語を話せないことが多い。NHKは公共放送なのだから、せめて標準語を徹底してほしいものだと思う。でも、NHKはまだ良い方だ。フジテレビのアナウンサーは度を超えている。うまくやったと言わんばかりの得意気な顔付きを「したり顔」というが、フジテレビの女性アナウンサーはいわば「したり声」だ。「したり声」などという日本語は無いが、他に適当な言葉が見つからなかったから「したり声」と表現した。「どや顔」も似ているから「どや声」でも同じだ。とても感じが悪いと思うが、残念なことに最近は他局の女子アナも使い始めた。メイディア主導で、言葉の荒廃化が始まっている。震源地がフジテレビであるというのも腑に落ちる。フジテレビには20年近く会長を続けた日枝天皇がいた。この時代、日枝は縁故重視の新卒採用をした。その結果、番組企画力は劣化し、アナウンサーの質も低下した。真面に喋れぬ女子アナが始めたのが「したり声」のナレーションだ。あろうことか、フジテレビは「したり声」アナを多用している。どのような了見なのだろうか。日枝天皇の罪は重い。

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対馬市長の賢い決断

市議会が受け入れを採択した「原発から出る核のゴミ最終処分場選定に向けた文献調査」について、比田対馬市長は定例市議会最終本会議で、受け入れない考えを表明した。賢い決断だと思う。文献調査は3段階ある処分場選定の第1段階で、期間は2年程度。受け入れた自治体には最大20億円が国から交付されるというエサがぶら下げられていた。比田対馬市長の決断には、5つの理由があった。市民の分断が起こり合意形成が十分ではないこと。観光業、水産業などへ風評被害への懸念。文献調査だけで終わらせることにはならないと考えたこと。市民に安全だと理解させるには計画、条件、情報が不十分なこと。地震などでの放射能の流出も現段階では排除できないこと、の5つだ。対馬の水揚げ高は168億円で、観光業でも消費効果額が180億円ある。もし風評被害で1割下がれば、水産関係で16億円、観光関係で18億円くらいの被害が出る。一方、国からの交付は20億円。風評被害だけでも、とても見合わないと理解した訳だ。恐らく受け入れに賛成した議員たちは、取り敢えず文献調査だけで終わらせ20億円をせしめようとしたのだろう。結局、このようなスケベ根性が故郷を破壊することになるのだ。

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再現ドラマ「危険なささやき」

NHKの再現ドラマ「危険なささやき」が放送された。旧統一教会が行なった信者の勧誘や慈善活動を装った訪問販売などの手口を、元信者の女性が教団に勝訴した裁判資料に基づいて再現されたドラマだ。当初の題は「悪魔のささやき」だったが、事前に旧統一教会が放送中止と謝罪を求めて抗議した結果「危険なささやき」に変更された経緯がある。教団の問題に詳しいジャーナリストは「番組は裁判資料からファクトを拾い、教団側が放送中止を求めるような内容ではない。旧統一教会の解散命令が取り沙汰されてから教団の抗議活動が激しくなっており、メディアへ取り上げぬよう圧力を掛ける狙いだろう」とコメントしている。ジャーナリストの江川紹子氏も「裁判で明らかになった事実で構成され、人々の注意喚起を促す良番組」と評価し、更に「事実を誹謗中傷と言い募り、批判を侮辱と言い換え、不都合な番組を中止させようとする教団の対応からは過去への反省がまるで感じられない」と教団の姿勢を批判している。NHKは折角良い番組を制作しながら、旧統一教会如きの抗議に腰を引き、番組名を変更するとは、情けない限りだ。NHKの何処に公共放送としての信念があるのだろうか。

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小手先の「年収の壁」対策

岸田首相が物価高などに対応するための経済対策を打ち出した。主なお題目は、物価高への対応、賃上げと投資拡大、人口減少下での社会変革、国民の安心・安全だという。なかでも注目されているのが「年収130万円と106万円の壁」との対応だ。従業員100人以下の企業では、配偶者に扶養されているパート従業員が年収130万円を超えると、年金保険料などの支払いが生じて手取りが減る。そのため勤務時間を調整して130万円以下に抑えることになり、人手不足に拍車をかける。政府は年収が130万円を超えても連続して2年までは配偶者の扶養に留まれるようにするという。一方、106万円を超えると従業員101人以上の企業で社会保険料の支払いが発生する。政府は、この106万円対策として、条件を満たした企業に従業員1人あたり最大50万円を給付するという。またまた政府の得意な補助金だ。岸田政権は、補助金政権と言うほど、具体的な対策が打てない能無し政権だと思う。今までのパート年収と年金・社会保険の関係は、専業主婦がモデルケースだった。しかし、世の中に専業主婦は殆どいなくなった。何処の家でも共稼ぎだ。岸田が今までのモデルケースを断ち切り、今様に改革すれば安倍をはるかに超える長期政権になると思うのだが。しかし、その技量も気配も無い。

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高血圧あれこれ

いま日本の大人の半数近くの4300万人が高血圧を患い、うち2400万人が降圧剤を飲んでいる。自分も高血圧症だ。40~50代は160以上あった。50歳ころから降圧剤を飲むようになった。最初はカルシウム拮抗薬が処方されたが余り効かずアルファ遮断薬が追加され、150程度に下がった。転勤し医者が替わりベータ遮断薬になった。ベータ遮断薬としてジェネリックのピンドロールから先発医薬品のカルビスケンに替えてからやっと120~130に安定した。このように降圧剤は、闇雲に処方して合うところを探す方法が採られている。ところが、肝心の高血圧症の定義は曖昧だ。10年前には、日本人間ドック学会と日本高血圧学会が基準値で揉めていた。自分の掛かり付け医は、昔ながらに130以下だと言う。でも、2019年に改訂された高血圧治療ガイドラインで、正常血圧は120以下、高血圧は140以上と定義された。でも同時に、年齢や持病の有無に応じて、目標値を変えることが勧められたのが一歩前進だ。高齢になれば血圧は高くなるものだ。日本の65歳以上の高齢者は3600万人で総人口の3割を占めている。年齢を考慮しない高血圧症診断が高血圧症患者を増産しているように見える。

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当てにならない地震発生確率

首都直下地震と東南海地震が日本を壊滅状態に陥れるのではないかと恐れられている。地震の発生メカニズムは少しずつ解明されつつあるが、問題は発生確率の精度だ。このブログ「東南海地震の発生確率は70~80%か20%か」にも書いたが、発生確率は前提条件次第でコロコロ変わる。因みに、地震対策をする自治体は70~80%を採用しているが、地震学者は20%としている。地震の発生確率は、本質的に不確実な自然現象を統計的に評価したもの。過去に何年周期で起きているから、次回は何年後頃に何%の確率で起きるかもしれない、という程度のものだ。因みに、阪神大震災の地震発生確率は発生直前で、0.02~8%だったし、2016年の熊本地震の場合は0~0.9%だったのだ。地震発生確率が低ければ発生しないというものではない。日本は火山列島の上にある。地震の巣窟の上にあるのだ。いつ何時大地震が起きようが、常に身の安全確保と減災対策をし続けなければならない運命を背負っている。

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季節外れのインフルエンザ

インフルエンザが全国的に流行しているという。我が家にも例年より早く市役所から「インフルエンザ予防接種のご案内」が届いた。小中学校では学級閉鎖が相次いでいるという。今の時期にインフルエンザが流行るのは異常だ。振り返ってみると、この3年間は新型コロナの感染対策のためかインフルエンザの感染者はほぼゼロで推移していた。でも昨冬から流行りだし、一定数の患者がずっといる状況とのこと。インフルエンザの流行は、医療機関の定点観測で1医療機関あたりの患者数を基準値としている。1人を超えれば流行期とされ、10人以上で注意報、30人以上で警報レベルとなる。現在は10人をはるかに超えている。「新型コロナが5類に引き下げられたため、感染症対策が緩んだことが原因」という見方もあるし「数年間インフルエンザの流行が無かったことで免疫や抗体が低下し、罹患しやすくなっている可能性もある」との見方もある。でも、5類に引き下げられたのは5月だから、昨冬から流行っている説明には当を得ていない。一方免疫や抗体の低下説は的を射ているようには感じるが、では何故昨冬から流行りだしたの解にはなっていない。新型コロナもインフルエンザもウイルスだ。ウイルスは環境に順応して変異する。ウイルスの環境を変えないことこそ、やり過ごす最適な手段に思えてならない。嵐が通り過ぎるのを待つことこそ人類の知恵なのかもしれない。

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法律を作る連中が、法律を破る

国会議員が現職の地方議員に秘書を兼職させる事例が相次ぎ、波紋を呼んでいる。最初に発覚したのは日本維新の会の池下衆院議員だ。公費から支出される秘書給与と市議報酬の二重取りが問題視された。すると、自民党の逢沢一郎元国会対策委員長、松本尚防衛政務官、立憲民主党の福田昭夫衆院議員、日本維新の会の掘井健智衆院議員らも兼職させていたことが明らかになった。公設秘書の兼職は法律で原則禁止されている。但し、議員が許可して国会に必要な届け出がされれば例外的に認められることになっている。彼等は届け出をせずに法律を破っていたのだ。各党の幹事長も慌てている。党の内規も無いからだ。泥縄で内規を作ろうとしている。国会議員から見れば、地方議員を秘書にすることは大きなメリットがある。地方議員はいつも地元にいるため、国会議員に代わって地元まわりをするなどの日常活動が出来るからだ。しかし、地方議員の報酬も秘書の給与も税金が原資だ。明らかに税金の二重取りだ。例外とは言え兼職を認める法律自体が間違っている。恐らく、旧統一教会問題と同様に、今後兼職秘書が次から次へと出て来るに違いない。法律を作る連中が、法律を破る。何とも情けない日本の実情だ。

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岡田阪神と中嶋オリックス

阪神タイガースが18年ぶりにセ・リーグ優勝を成し遂げた。パ・リーグでは明日オリックスが勝てばパ・リーグ優勝となる。共にクライマックスシリーズを勝ち抜いて日本シリーズに進出すれば大阪ダービーだ。関西は大いに盛り上がることだろう。それにしても阪神タイガースが優勝するとは意外だった。昨年のシーズン始めの矢野監督退任宣言による阪神選手のモラールダウンは甚だしかった。もう当分立ち直ることはないだろうと思っていた。ところが、今年は自前で育成した20代の選手の活躍が目立った。選手を育てることが下手な阪神が選手を育てたのだ。8年前にオーナーが「ドラフトで素材の良い選手を取り、育てて、自前の骨太なチームにしよう」と大号令をかけたとのこと。更に岡田が監督になった。岡田は、選手との関係性などで私情を挟まず、戦術を含めてより良い結果が出る確率が高い方を選ぶ。ポジションや打順を固定し、選手に集中出来る環境を整備した。その努力が実ったのだ。オリックスも同じだ。若手の選手が成長しチームを引っ張っている。常に選手ファーストを考える中嶋監督の存在が大きい。阪神とオリックスの対極にいるのが巨人だ。金の力で有力選手を集めるが、チームとして機能しない。一層のこと、巨人は岡田監督か中嶋監督を招き、選手の育成方法から学ぶ必要があると言える。

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食物アレルギーの要因

食物アレルギーの増加が顕著だ。米疾病対策予防センターCDCによると、2000年から2018年の間に、食物アレルギーを持つ子供の割合はほぼ倍増した。英BBCによると、工業化した国を中心に、食品アレルギーは過去30年間で急増した。また、アレルギーを引き起こす食品の範囲も広がっている。かつては牛乳やナッツ、甲殻類が中心だったが、いまではあらゆるものへの反応が報告されるようになった。では何故無害な食品までもがアレルギーを引き起こすようになってしまったのだろうか。米ノースウェスタン大学助教授が3つの仮説を提案している。1つは、皮膚が特定の物質に反応するようになること。皮膚がある物質に反応するようになると、それに類似した食品にアレルギーが出やすくなると考えられる。ピーナッツやエビが代表例だ。1つは、古典的な寄生虫がいなくなったため、マイナーな脅威に対応していること。サナダムシなどが根絶し、暇になった免疫システムがやることを探し、クルミやシラカバの花粉に反応するようになった。もう1つは、早期に原因物質を遠ざけたため免疫がそれらを適切に認識できなくなっているというもの。ピーナッツの早期暴露がアレルギーの発症率を大幅に低下させることが判明したという。アレルギーには分からないことが多い。本来体を守る免疫が力を持て余し、過剰反応で体を攻撃しているようだ。環境が改善される時代と共に働き者の免疫を抑えることが必要なのかもしれない。

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今日より質が劣る内閣に

支持率向上を狙った岸田内閣改造は見事失敗に終わり、支持率は横ばいだ。失敗の要因は幾つかある。まず見栄えがしない。党人事も含め主要人事には手付かず。基本的に期待出来ないことがアリアリだ。組閣発表直後は5人の女性が入閣し注目されたが、副大臣と政務官への女性起用はゼロ。これで岸田が女性を尊重しないことが分かり、評価はダダ下がり。挙げ句の果て、起用した女性の全員が脛に傷を持っていることがバレバレになった。目玉人事として小渕優子を選挙対策委員長に任命したが「ドリル優子」と叩かれ、優子は会見でワナワナし出した。重責を真っ当出来る器ではない。更に、父・恵三元首相の政治団体から1億5千万円を複数の政治団体を迂回し巨額の政治資金を受け取った問題が発覚。土屋品子復興相と加藤鮎子こども相は政治資金規正法違反の容疑。自見はなこ地方創生相は橋本議員と不倫し略奪婚。要するに真面な女性議員はいないということなのかもしれない。岸田は「今日より明日は良くなる国へ」と言ったが「今日より質が劣る内閣に」が実態のようだ。何でも内閣改造すれば良いというものではない。

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科学心をくすぐるイグノーベル賞

また日本人がイグノーベル賞を受賞した。17年連続の快挙だ。微弱な電気を舌に流すと味覚が変化するという研究だ。舌に電気を流すと金属っぽい味がすることは知られていた。ただ、食べ物と結びつけた研究はなされていなかった。味がぎゅっとしたり、塩味が濃くなったりするという。イグノーベル賞とは「人々を笑わせ考えさせた研究」に与えられる賞だ。ノーベル賞のパロディーとしてマーク・エイブラハムズが1991年に創設した。イグノーベルIg Nobelとは、ノーベル賞の創設者ノーベルNobelに、否定を表す接頭辞的にIgを加え、英語の形容詞ignoble(恥ずべき、不名誉な、不誠実な)にかけた造語だ。マーク・エイブラハムズはユーモア系科学雑誌の編集長で、廃刊の憂き目に遭いながらサイエンス・ユーモア雑誌「風変わりな研究の年報」を発刊する際にイグノーベル賞を創設したとのこと。面白いが埋もれた研究業績を広め、並外れたものや想像力を称賛し、科学、機械、テクノロジーへの関心を刺激するために始めたという。選考対象は5,000を超える業績で、書類選考はノーベル賞受賞者を含むハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の教授ら複数の選考委員会の審査を経て行われるというから、やっつけ仕事ではない。まさにイグノーベル賞は科学心をくすぐっている。

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樹木葬と海葬

カミサンの両親の墓参りに行ってきた。5月に義母が亡くなり、葬儀の後に初七日、四十九日、新盆そしてお彼岸と仏教行事が続いた。普段は仏教徒ではないのに、弔いは天こ盛りだ。一方、自分とカミサンは無宗教。自分たちが亡くなった後を考えた。子供たちを煩わせない方法を考えた。今流行りの樹木葬だ。無宗教でも入れるし、坊さんを呼ぶ必要もない。お墓はレンタルのようなもの。数年経つと合祀され土に戻る。お墓の面倒をみてもらう必要もない。カミサンの両親の墓所の片隅に樹木葬が出来た。同じ場所なら子供たちを煩わせることもない。と言うわけで、今日樹木葬の契約をしてきた。カミサンと同じ墓に入ることにした。いわば、あの世での結婚ということかもしれない。自分は墓に拘ってはいない。海葬を望んでいる。出来るなら平塚の海と高麗山に撒いてほしい。カミサンがやっと承諾し、お骨の一部を海に撒くことになった。自分が亡くなった後、子供たちが平塚の海を見たときや、新幹線で高麗山を見たときに、あそこに眠っているのだと思い出してくれたら嬉しいと思っている。

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消滅の道を辿る経団連

経団連が2024年度税制改正に向けて提言を発表した。岸田政権が進める「異次元の少子化対策」など社会保障政策の財源としては「消費税」が有力な選択肢の一つだと公表した。でも、経団連は日本企業の団体で、日本企業の主力のマーケットは日本経済だ。消費税を増税すれば内需が縮小し、経団連の各社も損失を出してしまうことになる。では何故、経団連は消費税の増税を提言したのだろうか。表面的には、財政再建が最優先だから消費税増税はやむを得ないと言っているが、それはタテマエだ。消費税を増税しても、儲かる仕組みがあるからだ。理由の1つは、社会保障費や法人税という企業負担の増加を回避するため。もう1つは、輸出還付金で増税分を補えるから。輸出企業が輸出品を作るために買った原材料を日本国内のマーケットで購入した場合、消費税を払うが海外の顧客からは消費税を取れない。そのため、国内で支払った消費税を還付する仕組みがあるのだ。元々消費税増税で社会保障費を賄うのは、不公平過ぎる。一見、皆で負担するのは公平のようにみえるが、弱者に過度な負担がかかる。全く公平ではないのだ。今や経団連は昔の土光時代の経団連ではない。幹部らは、メザシなど喰わず、ビフテキを喰らっているのだ。貧乏人などクソ喰らえと御身大事の考え方だ。このままいけば消滅の道しか残されていないのだが。

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組閣に2つのサプライズ

岸田首相が改造内閣会見で「明日は今日より良くなる国を目指す」と宣った。更に「この2年間、国民の声を丁寧に聞き、協力しながら、新しい扉を開いていく取組を進める毎日でした」と発言した。そうだろうか?果たして、国民の声を聞いただろうか?新しい扉を開いただろうか?岸田の発言は枕詞が多過ぎる。実体が伴っていない。「明日は今日より良くなる国を目指す」という言葉は「今まで何もやってこなかったのだから、これ以上悪くはならない」という風に聞こえる。Yahoo!ジャパンの「みんなの意見」では「全く期待しない」が90%強を占めている。今回の組閣には、2つのサプライズがあった。1つは、木原副官房長官を外したこと。木原が殺人事件を権力で闇に葬ったことは「事実は小説よりも奇なり」に書いた通りだ。でも、木原は岸田の知恵袋だから岸田は更迭出来なかった。やむにやまれずの人事だから、今後岸田は相当ブレることになるはずだ。もう1つは、文科相に盛山正仁議員を充てたこと。文科省は旧統一教会の解散命令請求に向け詰めの段階にある。ところが、盛山は旧統一教会とズブズブの関係にある。教団との関係をひた隠ししていて更迭されたあの山際二世とも言われている。盛山の文科相就任は、旧統一教会に解散命令は出さないということと同義語だ。「全く期待しない」を通り越し「これ以上日本を悪化させるな」が満票を得そうな気配だ。

(追記)

岸田は組閣の裏で木原副官房長官を自民党幹事長代理と政調会長代理を兼務させる方向で調整に入っているとか。つくづく岸田は姑息な輩だと思う。

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中国の日本産水産物禁輸は長期化しそう

上海市在住の日本人駐在員が、処理水の海洋放出から約10日間となる9月3日の上海の街の様子を伝えている。それによると、処理水問題の影響はほとんど見当たらないとのこと。日系スーパーの客入りは変わっていなし、中国人も減っていない。日本食レストランは中国人の方が圧倒的に多い。日本食材は使っていませんと張り出しているレストランは2割以下。唯一日本の塩だけは売れ残っていたという。汚染への恐怖から中国産の海産物まで買い控えられるという日本での報道とは全くイメージが違うという。中国検索大手・百度のキーワードごとの検索回数も急減しており、上海市だけではなく、中国全体で処理水に関する話題は急速に沈静化しているのだ。しかし、民間は鎮静化したが中国政府は違う。中国の政策は長期化するのだ。狂牛病問題では、日本産牛肉の禁輸措置は2021年の解除まで18年間も続いたのだ。福島原発事故を受けての10都県の食品、水産物の禁輸は12年が経った今も解除されていない。今回の日本産水産物禁輸も短期での解除は望めない。岸田首相は、中国以外の販路開拓を指示した。岸田も偶には安打を打てるようだ。

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スパムフラージュって

福島原発の処理水の海洋放出問題で、中国の反日運動が起きている。日本産海産物を全面輸入禁止し、電話とSNSで「汚染水放出はヤバい」と煽っている。特にSNS上での反日運動が活発とのこと。福島産の魚を食べて、岸田首相が病院に担ぎ込まれたという偽ニュースも、中国人ユーザーから出回っている。偽アカウントで大量の情報を流す「スパムフラージュ」と呼ばれる手法だ。「スパムフラージュ」とは「スパム」と「カムフラージュ」をかけた造語で、偽アカウントで身分を隠し、情報を大量発信するプロパガンダ手法と言われている。今や日本のみならず、米国、台湾、英国、豪が中国のターゲットになっているという。世界のSNS大手はスパムフラージュによる活動をはっきりと認識し、その弊害はアカウントや活動を潰すしかないところまで大きくなっている。中国がスパムフラージュに使うSNSは欧米のSNSだ。だが、中国国内では欧米SNSの使用は禁止されている。それでも出来るのは、中国政府に許可された人たちだけ。つまり、処理水の反日スパムフラージュは中国政府が発信しているという証明になる。来年は、台湾の総統選挙にはじまり、ロシアの大統領選や米国の大統領選もある。日本の総選挙も間近にありそうだ。努々スパムフラージュに惑わされてはいけない。

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新型コロナの主流はエリス

新型コロナウイルスの患者数が増えている。コロナは5月に5類へ格下げされたが、もはや第8波のピークに迫ろうとしている。マスコミは新型コロナウイルスの患者数が増え、通称「エリス」の割合が増えて一般の医療にも影響が出ていると報道している。アレレッと思った。コロナの名称はギリシア文字表示なのではなかったのかと。武漢が発生の地だから、当時何故武漢ウイルスをアルファにしなかったのだろうと訝かしがったものだ。それがオミクロンまで進展し、現在はオミクロンのXBB1.16とEG5.1が主流だ。どうやらエリスとは、オミクロン株EG5.1を指すようだ。それにしても、エリスのイメージは悪い。ギリシア神話に出て来る不和と争いの女神なのだ。エリスは多くの災いの母となり、労苦、忘却、飢餓、悲歎、戦闘、戦争、殺害、殺人、紛争、虚言、空言、口争、不法、破滅、誓いとなる子を生んだとされている。ギリシア文字よりエリス表示の方が余程恐ろしい。果たして、名付け親はオミクロン株の凶暴化を予知したのだろうか、それともギリシア神話に無知だっただけなのだろうか。いつの世も名付けには苦労するものだ。

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始めから最後まで間違っている

1250億円の予算に対し、1兆円超の見通し。株取引で儲けたという話なら良いけれど、話は最悪。大阪・関西万博の実態だ。会場建設費は、すでに資材価格の高騰や人手不足の影響で、2020年12月に1250億円から1850億円に引き上げられた。ところが、それが1兆円超の見通しというから驚きだ。一体何故、1250億円が1兆円超に化けるのだろうか。万博の開催地である夢洲は産業廃棄物などで埋め立てた人工島で、地盤は軟弱だ。軟弱な地盤に施設を造るためには50~60メートルの鉄筋コンクリート製の杭を硬い地層まで何十本も打ち込むことになる。それで建設費用は2割以上増える。こんなことは関西国際空港の経験で始めから分かっていた。更に、打ち込んだ杭は、万博が閉幕した後、撤去することが義務づけられている。杭を抜き取る費用は、打ち込費用よりも数倍かかる。加えて、夢洲へのアクセス道路である高速道路建設も1千億円から3千億円に膨らんでいる。夢洲は、万博後にはカジノを含む統合型リゾート施設IRの会場にするためインフラ整備費が上乗せされている。しかも、万博は半年間の開催で約2800万人が来場すると見込んで予算を組んだが、関心は薄い。これが維新の会の実力だ。とうとう政府に泣きついた。政府は国を挙げて税金を投入すると言う。でも、始めから最後まで間違っている。

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最後の悪足掻き

あの一世を風靡したジャニーズ、いや今も芸能界を席巻しているジャニーズの醜聞が曝されている。かつてもそうだが、今もテレビはジャニタレばかりだ。そのジャニーズ事務所を創設した故ジャニー喜多川の性加害が被害者から告発されたのだ。ジャニーズ事務所は会見を開き、藤島ジュリー景子、東山紀之、井ノ原快彦、弁護士が登壇した。テレビ各局は生中継しているが、自分はバカらしくて見なかった。だから、内容は知らない。でも、テレビなど見なくても分かることはある。藤島ジュリー景子は社長を辞任するが代表取締役として留まるという。自社株を100%持つ人は社内であろうが社外であろうが、絶対的な意見を発するのは間違いない。社長を東山紀之に交代したからといって、何も望めない。何故なら東山はジャニー喜多川の子飼いそのものなのだから。故ジャニー喜多川の性加害は昔から燻っていた。と言うよりは、公然の秘密だった。それを英BBCがさらけ出した。BBC以前の日本の放送局は知っていながら口を閉ざしていた。堰を切ったように一斉に批判報道し出したのは、チャンチャラおかしい。被害者らも勢い着いている。これら全てが異常だ。長いものに巻かれ続けた輩らの最後の悪足掻きに映る。

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黄色あれこれ

昔、血液型による性格占いが流行っていた頃、好きな色で血液型が分かるという問いがあった。自分は黄色が好きだった。本にはAB型は黄色が好きとある。当時自分の血液型を知らなかったが、調べてみるとAB型。感心したものだ。中国の古代哲学である五行思想では、天下の万物は、木・火・土・金・水の5つから成っていると説いている。木(東・春・青)、火(南・夏・赤)、金(西・秋・白)、水(北・冬・黒)という全方位・全季節・全色を束ねる中心に存在するのが土(中央・黄)だ。中国大陸の土は黄土。そのため、最高統治者は、黄帝=皇帝となり、黄色い長衣を着て政務を司った。こうした黄色崇拝で、北京の紫禁城の屋根瓦まで全て黄色に統一されたのだ。ところが、毛沢東時代に聖なる色は紅に変わった。かつて聖なる色だった黄色は、悪の色に貶められてしまった。英語のイエローは低俗を意味する。中国の黄色はそれを超え、腐敗や堕落、エロを指すものとなった。2014年習近平は突如「掃黄打非キャンペーン」をうった。掃黄とはエロを一掃することで、打非は非合法のものに打撃を与えるという意味だ。しかし、中国には殷の紂王の時代から酒池肉林の逸話があり、白居易が唐代を詠んだ長恨歌にも、後宮の美女三千人とある。2014年から10年も経ったが掃黄打非は未だに続いているという。抑えれば抑えるほど黄色は地下に潜って延命する。歴史には抗えそうもない。

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ヘリテージアラート:外苑再開発の撤回

明治神宮外苑の再開発事業に対し、国際記念物遺跡会議ICOMOSがヘリテージアラートを出して計画撤回を求めたとのこと。ICOMOSはユネスコの諮問機関で、世界の歴史的な記念物・文化遺産および遺跡の保存に関わる専門家の国際的な非政府組織だ。ヘリテージアラートには法的拘束力や罰則規定はないが、危機的状況にある文化遺産を守る目的で出されるのだ。ICOMOSは「明治神宮外苑は世界の都市公園の歴史の中でも傑出した優れた文化遺産だ。再開発に際し国民や関係者との協議がなく強く警告する。事業者には再開発の即時撤回を求める。事業を認可した都には環境影響評価に根本的な欠陥があり都市計画決定の見直しを求める。更に日本政府に対しても協力を求める」と公表した。日本の文化遺産を破壊する3つの要因がある。1つは「樹木3000本伐採など屁の河童」に書いたように三井不動産の傲慢さで、もう1つは「景観と自然を破壊する小池都知事」に書いたように小池都知事の狂気だ。更に1つは日本政府の無関心さだ。ICOMOSのヘリテージアラートは的を射ている。明治神宮外苑の再開発が撤回されることを願ってやまない。

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藤浪投手が蘇った

元阪神で現オリオールズの藤浪投手が、対エンゼルス戦延長10回に登板し、わずか9球で3者凡退に封じ、2セーブ目を挙げた。ブランドン・ハイド監督が最大限の賛辞を送ったとのこと。長いトンネルの中にいた藤浪投手も、先発ではなくクローザーとしてようやく立ち位置を固めつつあるようだ。藤浪投手が蘇った要因は、オリオールズのクリス・ホルト投手コーチとの出会いにあったようだ。ホルト投手コーチは、投手の再生に定評があり、これまで特にコントロールで苦しむ投手の矯正に手腕を発揮してきた。ホルト投手コーチの制球力改善法は単純明快だ。ストライクゾーンを意識するというよりも、何か小さなターゲットを決めてそれを目掛けて投げるというもの。投球フォームとタイミングのブレをなくすようにトレーニングし安定感が増した。藤浪投手が阪神で不調に陥り1軍と2軍を行き来していた頃、権藤元監督が「藤浪は阪神から出るべきだ。阪神は2軍に落とすだけで投球術を指導しないから」と言っていた。藤浪はやっと一流の投手コーチに巡り会えたのだ。権藤元監督の持論は「今の野球は抑えで8割が決まる。抑え投手は打者の4番に該当する。先発3本柱より格上」だ。藤浪はまさに高見に上り詰めようとしているようだ。

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献金と賄賂欲しさの国会議員

自民党の森まさこ参院議員がSNSで、ブライダル業界への補助金事業の進捗を報告したことが波紋を呼んでいる。少子化対策として確保された予算をブライダル業界への補助金として使おうとの魂胆だ。かつて福島復興予算を復興とは全く関係ない事案に予算を使った構図とソックリだ。そもそも国家予算というものは曖昧だ。少子化予算も復興予算も防衛費倍増も、最初に予算額が決まり使途は決まっていない。積み上げ予算ではないから、後から屁理屈を付けて使いたい放題となる。政治家としては使い勝手が良いから総枠制を好むが、財政を取り締まる財務省は予算の内容にもっと目を光らせるべきだと思う。更に、森はブライダル業界から献金を受けており、利益誘導なのではとの疑惑も上がっている。これは洋上風力発電がらみで、秋本衆院議員が日本風力開発に有利になるよう国会質問を繰り返し、見返りとして6000万円の賄賂を受け取った事件とも似ている。少子化対策と称して見返りに献金を要求し、再生可能エネルギー推進と称して馬を買う金をせびる。さて、国のために働いている国会議員は何人いるのだろうか。

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日本の大学の研究力低下は

文科省が、世界トップレベルの研究力を目指す国際卓越研究大学の初の認定候補として東北大を選んだと発表した。10兆円規模の大学ファンドが国際卓越研究大学を支援する。2024年度から助成が始まり、助成額は100億円で最長25年間続く計画だ。海外のトップレベルの大学が近年、豊富な資金を背景に研究力を高めているのに対し、国内では論文の質や量などの低下が指摘されているのが現状だ。海外のトップレベルの大学並みに豊富な資金を供給し、国際的な卓越研究を育成するのが目的だが、一極集中予算は現在の日本の大学の立て直しに有効なのだろうか。現在の日本の大学は非正規雇用の研究者が殆どだ。生活が安定しない研究者に腰の入った研究を続けることは難しい。大学の基盤的経費である国からの運営費交付金が、国立大学法人化が始まった2004年度から毎年1%ずつ減っている。研究者の非正規化は国立大学法人化が元凶だ。更に筑波大の研究によると、科学研究費助成事業の投資効果を調べた結果、国が進める選択と集中路線よりも広く浅く配分する方が効果的だと結論している。日本の大学の研究力低下は文科省の政策によるところ大と言うのは間違いない。

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AI医療機器が普及しない要因

AI医療機器が進歩し、がんの早期発見に有効だ。ところが、医療現場には普及していない。何故だろう。要因は、公的保険で診療報酬の加算対象になっていないこと、医師が診断を代替されるとの警戒感があり導入に後ろ向きなこと、診療報酬改定の会議に対し医療機器関連団体の影響力が小さいこと等のようだ。対策は簡単だが実行は難しそうだ。保険対象にすれば病院の導入のハードルは大きく下がる。厚労省に申請すれば、保険診療で使えるようになるが、診療報酬は増えない。診療報酬を増やすには、中央社会保険医療協議会の審査を受ける必要がある。だが、この協議会には機器関係者はゼロ。機器の診療報酬には後ろ向きだ。要するに、中央社会保険医療協議会のメンバー構成を変え機器関係者の声が反映するようにすることと、診療報酬の加算対象にすることと、医師にAI医療機器は診断の補助機器だと再教育することで解決する。しかし、ヘボ医者を再教育するのは至難の業と言えそうだ。日本の医療技術の遅れは、医師が足を引っ張っているのが実情のようだ。残念。

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トリガー条項凍結を解除しないのは何故

トリガー条項について、鈴木財務相が「発動は見送る」と表明した。理由は「発動終了時に大幅な価格変動が生じて、発動前の買い控えや、終了前の駆け込み、流通や販売の現場に与える影響が大きい」からだと述べた。9年前安倍元首相が述べた言い訳と一言一句同じだ。それ以降政府は同じ文言を繰り返してきた。でも、買い控えや駆け込みが起きるケースは消費税を増減税する時だ。ガソリン価格の変動で社会が混乱するはずがない。極めて不適切な言い訳だと思う。もし、混乱を予測していたとするなら、何故9年間も対策を取らなかったのだろうか。政府の怠慢そのものと言える。トリガー条項とは、ガソリンの平均小売価格が3カ月連続で1リットルあたり160円を超えた場合、ガソリン税の上乗せ分25.1円の課税を停止し、その分を減税する仕組みだ。だが、東日本大震災の復興予算を補うために凍結されている。しかし、一方で復興予算は使い切れず大幅に余っているのが現状だ。もはやトリガー条項を凍結する大義は無いのだ。財務省は、裏では一度解除すると、再び凍結する時に反対に遭い面倒くさいからと思っているのが実情だ。財務省のご都合で、法律が正常に機能しない。あってはならない事だ。

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東南海地震の発生確率は70~80%か20%か

関東大震災から100年目を迎えた。NHKが当時の白黒映像を8K高精細カラー化し、生々しい状況が蘇り、恐ろしさが迫ってくる。でも、地震予知研究は進んでいない。1970年代は東海地震の警戒一色だった。当時自分は静岡に住んでいたので、身の回りは地震対策一辺倒だった。その体制も空振りという結果で2017年に終了した。2011年には思いも掛けず東日本大震災が発生した。地震学者は予知は不可能とまで言い出し自信を無くした。そして現在は東南海地震が注目されている。政府は、30年発生確率70~80%と発表し対策を呼び掛けている。ところが、当時の政府の発生確率検討委員会の委員だった鷺谷名大教は「発生確率70~80%は科学的に正しくない」と告白している。南海トラフ地震のようなプレート境界で起きる「海溝型地震」は全国6カ所で確率を出しており、算出には過去の地震の発生間隔を平均して割り出す「単純平均モデル」という計算式が使われている。だが南海トラフ地震だけは「時間予測モデル」という特別な計算式が使われているのだ。東南海地震の発生確率を単純平均モデルで計算すると20%になる。地震学者らは、時間予測モデルに猛反対し単純平均モデルの方が科学的に正しいと主張した。しかし、行政・防災側が「20%では予算が取れない」と主張し、最終的に70~80%に決まったという。地震予知が難しいとはいえ、科学的根拠を無視したのでは、日本トータルとしての地震対策が歪んでしまう。もし、東京大震災が起きれば、70~80%にねじ曲げた行政・防災側の委員らは大きな罪を背負うことになる。

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