カナダの流通大手アリマンタシォン・クシュタールACTが、セブン&アイ・ホールディングスの買収提案を撤回すると発表した。今後敵対的な手法で買収に乗り出す可能性も否定した。ACTはセブン株主にとっては魅力的な総額約7兆円で同社を買収する提案をしていた。結局、セブンの牛歩戦術とACTの株価下落による資金事情悪化と米国での独禁法抵触の恐れのため、断念したのだろう。日本としては一応一安心だ。でも今後、日本の大企業が買収に晒されることはないのだろうか。経済産業省が2023年に「企業買収における行動指針」を出し、真摯な買収提案は真摯に検討すべきだと示した結果、海外企業による日本企業の買収意欲はがぜん高まっている。狙われている日本企業はセブンだけではないのだ。もはや業界大手の企業ならば、海外からの買収リスクは小さいだろうという「安全神話」は崩れたのだ。大買収時代が後戻りすることはないと言われている。原子力安全神話が崩壊したように、買収されないとする安全神話は崩壊し始めたようだ。
コメントをお書きください