竹中平蔵慶大名誉教授が減税か給付かの議論に対し「給料を上げるのは間違った政策だ」と批判している。物価高対策として減税や給付をすることは、両方とも需要を刺激し物価高を促進してしまうことになる。安倍に続き石破も賃金を上げる政策を採っているが、その政策が物価高を生み出している。経済学の基本中の基本だが、生産性が上がって、それで賃金が上がるのが正しい順序だ。ところが生産性が低いのに給料を上げると、単に物価が上がるだけで賃上げによる好循環は生じない、と主張している。確かに、生産性が上がって賃金が上がるのは本来在るべき姿だと思う。でも、本当にその逆は間違っているのだろうか。かつて、トリクルダウンが推奨された。富裕層や大企業への投資や減税などの政策が、最終的に低所得層や中小企業にも恩恵をもたらすという考え方だ。しかし、現実は富の偏在を招き、格差を拡大させた。理論通りには、低所得層に恩恵をもたらさなかったのだ。では、生産性が低い状況で、賃金を上げたらどうなるだろう。賃金を支払うためには生産性を上げなければならなくなる。結局、どちらが先でも結果は同じになるはずだ。所詮、経済学とはその程度の学問に過ぎないのだと思う。
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