イスラエルがイランを空爆したのは

イスラエルがイランに電撃的な空爆を実行した。勿論イランも報復攻撃を開始した。何故今イスラエルはイランを空爆したのだろうか。ウラン濃縮に関する米国・イラン交渉が暗礁に乗り上げた。でも、イランの核兵器完成は目前。そんな状況下での空爆だ。戦争には双方の言い分がある。特に中東情勢は複雑で、大昔に遡ることから始まって、第2次世界大戦後の英仏のいい加減な措置などに端を発している。でも、今更昔の話を蒸し返しても始まらない。だから、今を切り取って判断すべきものだと思う。極めて現実的な考察をすれば、イスラエルのネタニヤフ首相には、軍事衝突をエスカレートさせなければ議会を解散され、下野して逮捕されてしまう恐れがあるから、戦争を仕掛けたということだろう。一方、イランのイスラム保守政権は、イスラエルという敵がいなくなれば改革派の突き上げで国が瓦解してしまうので、戦争に応じているということだろう。何のことは無い。イスラエルとイランの指導者は、平和になったら困るのだ。自身の延命や保身のために戦争を利用しているのだ。そう考えると、状況が見えてくる。その時、一番被害に遭い困るのは国民だ。結局、国民が声を挙げなければ事態は動かないのだ。