石破首相が、夏の参院選の第1の公約は「2040年、名目GDP1,000兆円の経済を目指し、平均所得は現在から5割以上上昇させる」と自民幹部に指示したとのニュース。大目標を設定して、実現に向けた工程表を作成することは重要だ。でも、実現に向けた工程表が無ければ「絵に描いた餅」だ。石破は、さも自分が大目標を設定したかのように発表した。ところが、岸田前首相時代に、昨年の骨太の方針には「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現の下で、2040年頃に名目1,000兆円程度の経済が視野に入る」と記載されているのだ。何のことは無い。第1の公約は、パクリなのだ。しかも、問題は「骨太の方針」自体にある。そもそも「骨太の方針」と名付けられたのは小泉純一郎政権の時。小泉首相が「聖域なき構造改革」のために内閣府に設置した「経済財政諮問会議」での議論を、当時の宮澤喜一財務相が「骨太」と表現したことから「経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」を「骨太の方針」と呼ぶようになった。小泉は、まずは総論を作成し、各論の実施プロセスを各省庁に作成させ、定期的に進捗状況を報告させながら、政策全体の進行を管理したのだ。ところが、安倍政権から実現のための具体策がない「絵に描いた餅」ばかりが書き連ねられるようになってしまったのだ。それ以来、歴代首相は「絵に描いた餅」を描き続けている。
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