ゴールを見ずに風よ吹け

小野寺自民党政調会長が「消費税減税すれば円安になりモノの値段が上がる」と述べ、物価高対策のための消費減税に否定的な考えを示した。消費税減税すれば、国民の生活が少しは楽になるはずだったのに、真逆な主張だ。また、維新が主張する「OTC類似薬を保険から外すことで、医療費を約1兆円削減できる」にも、医師会から「むしろ医療費が増加する」との反論が出ている。OTC類似薬(医師が処方する保険適用の薬)とOTC医薬品(処方なしで薬局等で購入できる薬)は、成分や効能、効果は同じだが薬価は全く違う。OTC類似薬の保険外しは、患者の自己負担が高くなることから医療機関への受診控えが増えることが予想され、医療控えの結果、病気の発見が遅れて重症化患者が増え、結果、医療費は増加するという屁理屈だ。小野寺政調会長も日本医師会も「風が吹けば桶屋が儲かる」という論理だ。彼等の論理は「風が吹く」前に「現状維持」というゴールが決まっている。ゴールを見ずに、風を吹かしたいものだと思う。