昨年末、日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録された。日本酒、本格焼酎、泡盛、みりんなど、麹菌を使った伝統的な酒造りの知識と技術が国際的に評価されたのだ。でも、国内市場は縮小している。国内出荷量は、1973年に170万キロリットル超だったが、2023年には約39万キロリットルとピーク時の4分の1以下になった。一方、海外市場は好調だ。欧米では年々過去最高額を記録している。木下酒造杜氏のハーパー氏は「牡蠣にはシャブリと言われるけれど、あれはワインのなかでは比較的合うということ。日本酒なら牡蠣に合わない銘柄を探すほうが難しい。ソムリエはキャビアにはワインよりウォッカを薦めると言いますが、日本酒なら簡単に合わせられる」と日本酒を絶賛する。同時に、日本酒造りの繊細さに言及する。海外では国内ほどの繊細な作業は殆ど不可能で、旨い酒は出来ないと言う。日本の酒は、海外で受け入れられる土壌もポテンシャルも十分に備えている。まさに日本酒が海外に打って出る大チャンスだ。まずは「飲んでもらう」ことから始める必要がありそうだ。
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