乳酸は疲労物質ではなくエネルギー物質

運動して疲労すると、乳酸が溜まったからだと言われてきた。ところが、近年は乳酸を疲労物質とするのは誤りであり、リン酸などの他の物質の蓄積が原因であるとされているとのこと。乳酸はむしろエネルギー物質だという。通常筋肉を動かすためのエネルギーを得るには、酸素を用いて糖を分解する。この方法は大きなエネルギーが得られるメリットがあるが、時間がかかるデメリットがある。従って、激しい運動を持続するには別の方法が必要になる。そこで登場するのが乳酸だ。乳酸は筋肉を動かすためのエネルギー源として、ミトコンドリアで酸化されて再利用される。有酸素運動よりも無酸素運動の時により多く生成される。更に乳酸には、血管新生や傷の修復促進、ミトコンドリア新生、遺伝子発現調節などの働きもあるという。意外と知らないことは多い。今まで悪者とされてきた者が、実は正義の味方であったというような爽快感を感じた次第。